ソーシャルメディアと孤独感の関係について、ピッツバーグ大学医学部が最新の研究結果を発表した。
この研究は、ソーシャルメディアで過ごす時間が長い若者ほど、孤独と社会的孤立を強く感じていることを示している。
この研究論文の筆頭著者、Brian A. Primack氏はプレスリリースの中で、「精神衛生上の諸問題と社会的孤立が、ヤングアダルト世代にまん延している」と論じている。
Primack氏の研究チームは今回、19〜32歳の1787人を対象に聞き取り調査を実施した。そのデータに対し、社会的孤立の程度を測定する一般に受け入れられた手法を適用した。
結論はこうだ。社会的要素と人口統計的要素を除外した場合でさえ、1日のソーシャルメディアの利用時間が2時間を超える人は、30分未満の人と比較すると、社会的孤立を2倍強く感じていた。
「人間は生まれつき社会的な生き物だが、現代の生活は、われわれをひとつにまとめるのではなく、区分する傾向がある。ソーシャルメディアは、そうした社会的な隙間を埋める機会を提供するように思えるかもしれない。しかしこの調査は、ソーシャルメディアが人々の望んだ解決法ではない可能性があることを示唆していると、私は考えている」(Primack氏)
もちろん、社会的孤立が人々をソーシャルメディアへと駆り立てているのか、それともソーシャルメディアへの依存によって孤立が深まっているのかについては、研究者らが解明できたわけではない。
ただし、共同著者のひとりであるElizabeth Miller氏は次のように論じている。「たとえ社会的孤立が先にあったとしても、オンラインで時間を費やすことは、それがソーシャル(社会的)とされる状況であるにもかかわらず、孤独感の軽減には役立たなかったようだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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