富士通のPC事業35周年「その経験を生かす」--こだわりのMADE IN JAPANと“匠の技”

 PC事業を展開する富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は富士通(2・2・2)にちなんだ2月22日、「FCCLの匠(たくみ)」をテーマに、島根の工場見学ツアーと展示イベントを開催した。

 富士通は2016年2月に子会社を設立、ノートPC・デスクトップPC事業と携帯端末事業を分社化した。PC事業はFCCL、携帯事業は「富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社(FCNT)」へと継承している。

FMシリーズ35年の歴史
FMシリーズ35年の歴史
FCCL 代表取締役社長の齋藤邦彰氏
FCCL 代表取締役社長の齋藤邦彰氏

 FCCL 代表取締役社長の齋藤邦彰氏は、PCビジネスについて「FMシリーズには35年の歴史がある。“いち早くいい商品を届けること”を一貫としてやってきた。1981年に発売した『FM-8』を皮切りに、1990年には乾電池2本で動く1ポンド(約450g)を切る『Poqet PC(米国発売)』、2000年は世界初のワイヤレスモジュールを内蔵した『LOOX T5/S5』、2002年には土中に埋めると分解される植物系プラスチックで作ったPC『BIBLO NB80K』など、実績を残してきた」と振り返る。

1981年に発売した「FM-8」。64bit RAMを搭載した(世界初)
1981年に発売した「FM-8」。64bit RAMを搭載した(世界初)

 また、「歴史が長ければいいものでもなく、その経験を生かさねばならない」とし、(1)35年に渡るノウハウで客に適した製品を提案できること(2)要望に応じてオーダーメードで設計・製造ができること(3)客が望むリードタイムで対応できること──が富士通ならではの匠(たくみ)の技だと説明した。

 FCCLのR&Dは、神奈川県川崎市で、国内製造工場は島根・福島・兵庫の3カ所にある。コールセンターは仙台、新潟、北九州、京浜に拠点を持ち、企画・開発から製造、サポートまですべての機能を国内に持つ“MADE IN JAPAN”のプロダクトを特徴とし、だからこそ“匠”を実現できるとアピールする。

企画・開発から製造、サポートまですべての機能を国内に持つ
企画・開発から製造、サポートまですべての機能を国内に持つ

 一方で、2016年に富士通とレノボはPC事業で「戦略的提携」を検討していることも発表している。進捗状況について記者に問われると、「いまのところ協議をしている。それ以上のことは言えない。決まったことはまだなにもない」(齋藤氏)とコメントした。注目される主力工場の雇用の維持についても「“匠”というものがお客様に受け入れられれば続けていきたい」とし、存続したい意向を示した。

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