NTTドコモ、東京無線協同組合、富士通、富士通テンは2月17日、ドコモのリアルタイム移動需要予測技術を使った「AIタクシー」を報道陣に公開した。
これは、ドコモのモバイルネットワークを使い、特定のエリアにどの程度人がいるかを集約した人口統計データをもとに、東京無線のタクシー運航データ、気象データ、周辺施設データ(POI)など組み合わせて分析し、タクシーの需要予測モデルを作成。30分後にどのエリアでタクシー需要が高まるかを10分ごとに予測する。2016年6月に実証実験を開始しており、来年度中での商用化を目指す。
タクシーの運航データは、富士通テンのタクシー配車システムと、富士通が提供する位置情報サービス基盤「SPATIOWL(スぺーシオウル)」で収集したもの。エリアごとの需要変化は、タクシーに設置されたタブレット端末に、500メートル区画のメッシュで色分けしてリアルタイム表示。さらに、過去の乗降データから、ユーザーが多いエリアを100メートル単位で表示する。
現在は、実証実験中と言うこともありタクシー12台(ドライバー26人)の小規模で運用中だが、需要予測技術を使ったドライバーと東京無線のドライバーの平均値で1日あたりの売上高を比較したところ、需要予測技術を使ったドライバーの方が49%向上したという。また、新人向けの教育用ツールとしも有効のようで、ユーザーが集まりやすいエリアを効率的に教えることができるという。
予測正解度は92.9%。住宅地などの低需要エリア、駅前・繁華街などの高需要エリアでの予測精度は高く、今後は中需要エリアの精度向上を目指す。なお、AI技術は「多変量自己回帰」と「ディープラーニング」の2種類をハイブリッドで利用しており、エリアごとで最適な手法を利用する。
それでは実際にどのように需要予測するのか、タブレット端末を搭載したタクシーに乗車した。
タブレットはカーナビの横に取り付けられており、自走位置とタクシー需要が高いエリアを常に表示し、運転手の負担にならないよう自走位置に自動で追随する。マップは拡大縮小でき、より広範囲のエリアを確認することも可能だ。
数字でエリアごとのタクシー需要を表示させることも可能。また、丸の点線は実際に乗車した場所を表示しており、矢印でどちらの車線で乗車したかを表現している。
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