人間がこの作業をすると何時間もかかることがあるが、Prismの技術をMicrosoftのAIと組み合わせることで、その日に受付に届けられた荷物の数を調べるといったことが、ほんの数分でできるようになる。Prism SkyLabsのクリエイティブディレクターを務めるAdam Planas氏は、「現在存在するデータの量は計り知れない」と言う。
Microsoftは音声命令でも同じことを行っており、人が話したことを文字に起こすというだけでなく、それが何を意味するのかを推測する機能もアプリに追加している。つまり、「何歳ですか」と聞かれるだろうとビデオゲームが予測しているときに、筆者が「とても若く見えますね」と言うと、ビデオゲームは筆者が基本的には同じことを言っているものだと理解する。
仮想現実(VR)ゲームを開発するHuman InteractのAlexander Mejia氏と同氏のチームがMicrosoftの技術を採用する前に利用していた音声命令ソフトウェアに比べると、大きな進歩である。Mejia氏らのプロジェクト「Starship Commander」は、プレーヤーの音声によってのみ制御される新しいVRゲームだ。
「プレーヤーはヘッドセットを装着するとロールプレイングを開始し、キャラクターに入り込む。宇宙船の指揮官になって宇宙船を発進させ、冒険を楽しみたいのだ」(Mejia氏)
同氏によると、目標は、ゲームに話しかけるのがとても自然なことだとプレーヤーに感じさせることだという。洗練された見た目のゲームを作って、自分が本当に宇宙船に乗っているように感じられるほどの没入感をプレーヤーに提供することも、その目標を達成する手段の1つだ。それに加えて、プレーヤーをうまく促してゲームに十分話しかけるようにし、しばらくすれば、それが自然なことのように感じられるようにする必要もある。唯一の欠点は、プレーヤーの音声命令をMicrosoftに送信して処理してもらわなければならないため、このゲームには、インターネット接続が必要であることだ。
しかし、利点はそのプロセスが「異常に高速」であることだと、Human Interactの事業開発担当バイスプレジデント、Sophie Wright氏は述べている(Wright氏は同ゲームのキャラクターにもなっている)。
Microsoftは、開発者に同社の技術を使うよう促すことで、AIの能力向上を支援してもらえると考えている。社内でAIの開発に取り組む5000人のエンジニアとは別に、42万4000人以上の外部開発者も同社のAIを試す取り組みに参加している。
Microsoftのコーポレートバイスプレジデントで、同社のAI研究グループを率いるAndrew Shuman氏は、「われわれはブレークスルーの最前線にいると思う」と語る。AIがわれわれ人間のことをもっとうまく理解できるようになれば、日常生活を本当の意味で助けてくれるだろう。自動車の鍵をどこに置き忘れたのかを防犯カメラに尋ねたら教えてもらえるような未来を想像してほしい。
「ユーザーに本当に喜んでもらえるようなものを作り出すことができる」(Shuman氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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