グーグルは2月7日、YouTubeアプリ(Android/iOS)のモバイルライブ配信機能を全世界で同時に公開した。2016年6月に機能自体は発表されていたが、一般公開の時期は明らかにされておらず、一部のユーザー向けにベータ版が提供されていた。まずは、チャンネル登録数が1万を超えるクリエイターから順次提供を開始するという。
YouTubeアプリを起動し、画面右下のビデオアイコンをタップ。タイトルやサムネイルなどを設定するだけで、すぐにライブ配信を始められる。ライブ配信中の動画には、クリエイターの公式チャンネルからアクセスできるほか、配信後はチャンネル内のアーカイブに保存される。クリエイターは、動画にトリミングなどの編集を加えることも可能だ。
グーグル ライブソリューションスペシャリストの仲田真人氏は、同機能の発表から公開までに時間がかかったことについて、クリアで遅延のない映像配信を実現するために、先行ユーザーによるテストを繰り返し、チューニングを続けてきたためと説明。その分、多くのユーザーが同時視聴しても快適に再生できる機能に仕上がったと胸を張る。日本ではバイリンガール 吉田ちかさんや、はじめしゃちょーさんなどの人気YouTuberが、いち早くモバイルライブ配信機能を利用していた。
仲田氏は、ここ数年でYouTubeにハイクオリティな編集動画が増えている一方で、ライトユーザーにとっては敷居が高い一面もあったと語る。今後はより幅広いユーザーに気軽にライブ配信をしてもらうことで、新たなユーザー層の獲得を狙う。なお、不適切な動画については、視聴者からの通報などによって削除対応するとした。
YouTubeでは1月より、ライブ動画の視聴者がクリエイターへの応援コメントを固定表示できる有料機能「Super Chat」の提供も開始している。人気のクリエイターの動画には大量のコメントが投稿されるが、その中で自身のコメントが一定時間、色違いで上位表示される機能だ。これにともない、2014年から提供していた「視聴者ファンディング」は終了する。
視聴者は1件のコメントにつき100円から5万円まで課金でき、料金によって固定表示される時間が異なる。具体的には、500円で2分間、1000円で5分間、2000円で10分間、5000円で30分間、1万円で1時間、5万円で5時間などとなる。18歳以上のユーザーのみ利用でき、支払い方法はクレジットカード、デビットカード、PayPalの3種類から選べる。クリエイターは新たな収益手段として、この機能で得た報酬の一部を受け取れる。ただし、YouTubeとのレベニューシェアの比率などは非公開。
Super Chatは、決済環境が整った国(クリエイター20カ国、視聴者40カ国)から提供を開始しており、チャンネル登録数が1000以上のクリエイター向けに順次公開しているという。当初はAndroidとPCから利用でき、iOSは準備ができ次第、実装する予定。なお、一部のクリエイターに同機能を先行提供したところ、人気のゲーム配信ユーザーは1日に4000ドル以上を稼ぎ出したそうだ。
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