YouTubeは、2016年に入って音楽業界から最大の敵と非難されてきたが、米国時間12月6日、この1年間に10億ドルを超える広告収入をアーティスト、レーベル、パブリッシャーに支払ったことを明らかにした。
この数字は、YouTubeで最高業務責任者(CBO)を務めるRobert Kyncl氏がブログ記事で発表したもので、音楽業界の批判派との関係改善に向けたYouTubeの取り組みの一環だ。あるいは少なくとも、YouTubeは、膨大な数の楽曲を無料で聴ける同社サイトが、音楽業界の主要な成長分野である音楽サブスクリプションサービスを補完する存在として有用だと、批判派に納得してもらうことを望んでいる。
Kyncl氏はこの記事で次のように述べている。「明白なのは、このクリエイティブな業界がサブスクリプションと広告という、成長をけん引する2つの強力なエンジンを持っていることだ。そしてわれわれは、その一端を担っていることを名誉に思う」
今回の発表は、YouTubeと音楽業界の衝突が目立った2016年を締めくくる動きだ。米国音楽業界の主要業界団体である全米レコード協会(RIAA)は3月、業界最大の収益源であるデジタルダウンロードをストリーミングが上回ったと発表したうえで、広告に支えられたYouTubeなどのストリーミングサイトから得られる売り上げは「ごくわずか」であり、他の種類の音楽サービスと比べて「はるかに少ない」と主張した。RIAAはこの発表をきっかけに、YouTubeはもっと多くの金額を支払うべきだと訴えるキャンペーンを展開した。その後すぐに、音楽業界の他の著名人らもこの動きに同調した。
YouTubeはこれを受けて、アルバムや楽曲を売るビジネスからサブスクリプションや広告で収益を得るビジネスへと移行するなか、そうした意見の相違は音楽業界で起こっているより大きな変化の表れだと反論していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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