もちろん、LINEのコミュニケーション活性化が目的なので、LINEへの共有のしやすさは重要ですが、ユーザーニーズを考えるとInstagramやTwitter、グローバルであればWeChatなどで使いたいという声はありますので、それに応えようとしています。ユーザーの使いやすさを目指しているので、LINE IDの入力なしでも使用できるようにしています。
LOOKSのメーカーコラボは、マネタイズよりもユーザーが欲しいコンテンツを投入するための要素が大きいです。有名な化粧品メーカーだとユーザーの反応も上がるので、コミュニーケションの活性化につながります。EC機能でも、今のところは購買よりも、ユーザーのトライアル回数を重視しています。
積極的にプロモーションしているわけではないのですが、使いやすさなどが評価されて利用が伸びています。ローンチ当初は、ヨーロッパ圏で人気が出て、東南アジアやメキシコでも利用されるようになりました。また、同時にセルフィーブームが来たこともあり、海外のアーティストがB612を使っていたのを見て、日本のユーザーやアーティストにも使っていただけるようになりました。
LINEの冠を外したのも、グローバルのマーケットを取りに行くためだったんですが、結果セルフィーで使いやすいと日本に“逆輸入”されました。
ヨーロッパや東南アジアでダウンロード数が伸びていますが、各国で女の子の顔のきれいの基準が異なるため、“盛り”をローカライズしています。日本では、わざとらしく盛るのはあまり好まれませんが、東南アジアだと受け入れられる傾向にあります。
フィルタ会議は毎日実施しており、社内で“アゴ談義”もしています。「アゴがとがりすぎ」「盛りすぎ」「詐欺」といったユーザーの声などを開発者にフィードバックして、フィルタのかかり具合を調整してます。また、各国のトレンドを追うためにグループインタビューを実施したり、SNSの投稿もフィードバックとして反映しています。
ユーザーや自社のログデータを見ていると、自撮りの盛りがナチュラルに変化しているのを感じていて、B612でもユーザーが微調整できるようにしています。大きく変わるのではなく「ちょっとだけ目を大きくする」「ちょっとだけ頬を削る」「ちょっとだけ眉を調整する」といった、ナチュラルなかわいさがトレンドです。アプリ内の人気フィルタもシンプルなものに変わっています。
あと、季節ごとのコンテンツもローカライズしています。サンタクロースはグローバルで定番ですが、例えば正月のコンテンツなどは日本限定です。中国の場合は旧正月に合わせて金魚を泳がせるフィルタを追加しており、台湾では「ランタン飛ばし」を模したARフィルタを実装したのです。
このフィルタを使った日本の高校生が「ディズニーのラプンツェルみたい」とSNSに投稿して盛り上がったりと、必ずしもローカライズしたコンテンツをその国にとどめておくのではなく、いろいろなユーザーが楽しめるように開放しています。
次はARを考えています。今のところ、ARフィルタのようにカメラで撮影した背景に何かが飛んだりする程度ですが、スマートフォンの進化にともない、3Dオブジェクトを認識したり、映画や作品の世界に入った自撮りができるようになるかもしれません。スマートフォン用の360度カメラも登場していますし、ARはまだまだ伸びしろがあると思っています。フィルタ越しの世界で体験が変わるというのをさらに追求したいですね。
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