“Selfie capital of the world” という言葉をご存知だろうか。米国のTIME紙が2014年に実施したInstagramでの自撮りに関する調査で、マニラ首都圏のマカティが自撮り総数で世界459地域中1位を獲得し、手にした称号 “世界の自撮りの中心地” である。
9位には中部にある島、セブもランクイン。筆者にはフィリピンの友人が多いが、この調査の結果通り、FacebookやInstagramには「彼らの顔を見ない日はない」と言っていいほど、毎日大量の自撮り写真がアップロードされフィード上を賑わせている。
そんな自撮り好きなフィリピン人の国民性を活かし、消費者と企業間の新しい広告コミュニケーションを創り出すサービス「Hoy!」がフィリピンでリリースされた。コンセプトの珍しさから大手メディアが取り上げ、現地で話題となっている。
Hoy!は、提携する企業やブランドの製品と一緒に撮影した自撮り写真や、店舗に訪れた自分の写真をアプリ内にアップロードすることで企業からの報酬をもらえるサービス。FacebookやInstagramなどのSNSと類似しており、写真はアプリ内の友人のフィードに流れ、「HOYA」(Facebookでいう「いいね!」)を付けたり、コメントを書いたりできる。
企業が設定するHOYAの目標数を獲得すると、企業がデジタルバーコードをユーザーに配信。店舗を訪れバーコードを専用の読取機でスキャンすれば報酬を得られるシステムだ。アプリをFacebookと同期させ、Facebook上の友人とつながったり、Facebookのフィード上にも写真をアップしてHOYAのかわりにいいね!をもらったりもできる。
提携先は、配車アプリのGrab、航空会社のAirAsia、飲料メーカーのBacardi、アパレルメーカーのDC、スポーツ用品メーカーのQuicksilver、アパレルメーカーのGiordano、ファストフードチェーンのBurger Kingなど、東南アジアで事業を展開する有名企業がずらり。報酬は航空券や靴、玩具、携帯電話などさまざま。現在約40の企業と提携し、約100の報酬キャンペーンが展開されている。
2016年7月のリリース以来、サービスはマニラとセブで展開。ユーザー数は1万5000人に上る。フィリピンの有名芸能人やYouTuber、ブロガーなども参加し、彼らの投稿が新規ユーザーの獲得に寄与していると思われる。
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