サムスン信頼回復への取り組み--「Galaxy Note7」発火問題 - (page 3)

Shara Tibken Roger Cheng (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2017年01月24日 14時08分

 サムスンは現在、主要なモバイル部品のテストプロセスを変更しているところだ。なかでもバッテリに関しては、8点に及ぶ検査プロセスを制定しようとしている。これまでサプライヤー側で処理されていた工程もあれば、新たに導入される工程もある。

figure_3
提供:Alfred Ng/CNET

 「今後予定しているテストの一部は、業界標準のレベルを大きく超えるものになるだろう」(Denison氏)

 検査項目の1つは耐久性テストで、過充電したときや、釘が刺さったり極端な温度にさらされたりしたときのバッテリを調べるものだ。バッテリ1つ1つを目視検査し、X線テストを実施して異常がないか確認する。また、大規模な充電および放電テストにかけ、消費者の使用シナリオを加速したシミュレーションを行い、バッテリを分解して全体的な品質を検査する予定だ。そのほか、バッテリ部品やデバイス全体のリーク、製造プロセスを通じた電圧の変化なども調べることにしている。

 Koh氏によると、サムスンの次期フラッグシップスマートフォンGalaxy S8は2017年春に発売される見込みで、新しい検査プロセスが適用されるという。

figure_4
提供:Samsung

 「2度目のリコールを実施したのは、ちょうどGalaxy S8用バッテリの設計を開始したときだった。すべての(新しい)製造プロセスは、2017年の全モデルに反映される」(Koh氏)

 またKoh氏は、Galaxy Note7の問題がGalaxy S8の発売日に「大きく影響」することはなかったと述べている。「安全性を高めるために人員を増やしたが、スケジュールに影響は出ていない。重大な影響は皆無だ」

信頼を回復するために

 サムスンは、問題を公開するだけでなく、より広い視野で業界をとらえることで、業界における評価をある程度得られるものと期待している。

 自社の新しいバッテリ検査プロセスを共有することについて、世界的な標準団体と協議しているところだとKoh氏は述べる。同氏は、すべてのメーカーが同じガイドラインに従えば、たとえばホバーボードの出火といった問題にも対処できるようになると期待をかける。

 「これをグローバル標準として確立できれば、リチウムイオンバッテリの安全性が間違いなく向上するはずだ」(Koh氏)

 サムスンはバッテリの安全性と標準に関する知的財産を無償で公開する予定だと、Koh氏は付け加えている。

 サムスンが失った信頼を取り戻すには、やはりしばらく時間がかかるだろうというのがKoh氏の理解だ。

 サムスンは製品を提供し続けなければならないと指摘したうえで、同氏はこう述べている。「顧客のためにイノベーションを進めなければならないが、顧客の安全が最優先だ。最終的には顧客の信頼を取り戻すことができる」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]