ソフトバンクは1月18日、同社の低価格携帯電話ブランド「ワイモバイル」の新商品・サービス発表会「Y!mobile 2017 Spring」を開催した。同日には学割施策をはじめとした、ワイモバイルの春商戦に向けた新しい取り組みが発表された。
ソフトバンクのY!mobile事業推進本部長である寺尾洋幸氏は冒頭、ここ最近の市場動向と、ワイモバイルの実績について説明。2016年はMVNOやキャリアのサブブランドによる、いわゆる「格安スマホ」の市場が本格化したことから、ワイモバイルも端末の拡充や、1年間月額1980円で利用できる「ワンキュッパ割」、SIMフリースマートフォンへの対応など、さまざまな施策を進めてきたという。
その結果、ワイモバイルはスマートフォンの販売台数が前年同期比で2.5倍となり、一部調査では大手3ブランドを除いた市場シェアが4割に達するなど、好調なユーザー獲得が続いているとのこと。
そこで2月には、主力の料金プラン「スマホプラン」の10分間通話定額の回数制限を撤廃するほか、3月にはスマートフォンとタブレットのデータシェアができる「タブレットシェア」を提供する予定であるなど、サービスのグレードアップを進めるとしている。また、寺尾氏は「もっと楽しく便利な体験を提供したい」と話し、サービスと端末それぞれに関して新たな取り組みを打ち出した。
サービス面での新施策となるのは、ヤフーのポータルサイト「Yahoo! Japan」で、月額会員サービス「Yahoo!プレミアム」と同等の内容の各種特典を利用できる「Yahoo!プレミアム for Y!mobile」を、ワイモバイルの「スマホプラン」「データプラン」利用者に対して2月1日より無料で提供することだ。
これにより対象のワイモバイルユーザーは、「Yahoo!ショッピング」や「LOHACO」で買い物をするとTポイントが5倍貯まるようになるほか、ネットショッピングでのトラブル時に年間最大10万円が補償される「お買いものあんしん補償」が適用される、「ヤフオク!」が制限なしで利用できるなどの特典を、無料で得られるようになる。
ワイモバイルは、これまでにもヤフーと連携したさまざまな取り組みを進めているが、今回の施策は従来より一層踏み込んだ内容となっている。その理由は、2016年6月に実施した、Yahoo!ショッピングで買い物をするとポイントが2倍になるキャンペーンにあるとのこと。
このキャンペーンの実施後、ワイモバイルユーザーのYahoo!ショッピング利用が拡大し、2016年3月時点では4.6億円だったワイモバイルユーザーの利用金額が、12月には約3倍の12.8億円に達したと寺尾氏は話す。
そこで、ヤフーのECサービスの利用を一層拡大させ、それを起点としてヤフーのサービスをより多く活用してもらうことにより、ワイモバイルが掲げる「インターネットの生み出す楽しさや便利さをみんなの手元に届けたい」というビジョンを実現するためにも、Yahoo!プレミアム相当の特典を無料で提供するに至ったようだ。
そして端末面での新施策となるのが、一定期間Androidのバージョンアップを補償するグーグルのプログラム「Android One」に対応したスマートフォン新機種の投入だ。ワイモバイルは2016年7月に、Android Oneに対応した日本初のスマートフォン「507SH」(シャープ製)を投入しているが、その発売後に販売台数が大きく伸びたことに加え、利用者に向けたアンケートでも8割以上のユーザーが満足と評価するなど好調であったことから、新端末の投入に至ったという。
新たに提供されるAndroid Oneスマートフォンは、シャープ製の「S1」と、京セラ製の「S2」の2機種で、いずれも5インチのディスプレイを搭載。2月下旬発売のS1は、507SHと比べディスプレイ解像度がフルHD(1920×1080)へと強化され、軽量化が図られている。一方で、チップセットの性能はSnapdragon 617から、より下のクラスとなるSnapdragon 430に変更されており、ワンセグも非搭載となったことから、より安価な価格で提供されるモデルとなるようだ。
3月下旬発売予定のS2は、ディスプレイ解像度がHD(1280×720)、チップセットがSnapdragon 425と、性能面で見ればS1より下位のモデルとなる。だが一方で、米国国防総省のMIL規格に準拠した防水・防じん・耐衝撃性能を備えるほか、フィーチャーフォンからのアドレス帳移行に活用できる赤外線も搭載。フィーチャーフォンからの乗り換え需要を強く意識したモデルとなるようだ。
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