KDDIは8月2日、2016年度第1四半期(4~6月)の決算を発表した。売上高は前年同期比8.0%増の1兆1304億5300万円、営業利益は同19.1%増の2751億1200万円、純利益は同16.1%増の1671億500万円となった。auの通信ARPA(1契約あたりの月間通信料収入)が増加したほか、販売コストを削減したことで増収増益となった。通期予想に対する進捗率は31%だという。
KDDI代表取締役社長の田中孝司氏によると、総務省のタスクフォースで、“実質0円販売”が禁止されたことなどによって、携帯大手3キャリア間での顧客の流動は「昔に比べるとほとんどない状態」(田中氏)だという。また、好調なワイモバイルを始め、格安スマホを展開するMVNO各社に「流出が見られる」(同)と認める。
そこで、同社ではグループのUQコミュニケーションズが展開する格安スマホ「UQ mobile」で対抗する。田中氏は、MVNO各社は分かりずらいウェブでの契約が多いのに対し、UQでは取扱家電量販店を1000店舗まで拡大中だと説明。また最大1年間、月額1980円から利用できる「イチキュッパ割」を7月1日から実施しており、今後もこうしたキャンペーンを積極的に展開していくとした。
また、auの顧客については、新規獲得よりも既存顧客向けのサポートを充実させることで、ARPAのさらなる向上を目指す。そこで同社では8月から長期利用ユーザー向けの優遇施策である会員制プログラム「au STAR」を開始。auショップでの優先来店予約や、4年以上利用するユーザーへのポイント還元、その他さまざまな特典のプレゼントなどを予定している。
さらに、“au経済圏”の拡大に向けて、4月に「auでんき」や「auのほけん・ローン」を開始。1464万会員を抱える「auスマートパス」、約2900万世帯で視聴できるテレビ通販「ショップチャンネル」、そして全国に約2500店舗ある「auショップ」などを活用し、オンラインとオフラインの両面で、顧客とのタッチポイントを強化するとした。
中長期的には、IoT領域でも存在感を高めたいとしている。6月にはトヨタ自動車と、ネットワークに常時接続する「コネクテッドカー」を日米で本格展開することを発表した。国や地域で仕様が異なる車載通信機を2019年までにグローバルで共通化し、2020年までに日本・米国市場で販売する、ほぼすべての乗用車に搭載する予定だという。また、この仕組みを他の自動車メーカーにも開放するとしている。
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