アップルには本当に拡張現実(AR)メガネが必要なのか

Adrian Kingsley-Hughes (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部2017年01月16日 07時00分
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 Appleは光学分野の有名企業Carl Zeissと共同で拡張現実(AR)メガネを開発しており、2017年内には発売する可能性がある──。テクノロジ業界人のRobert Scoble氏が、Zeissの従業員のうっかりした言動に基いてそう主張している。

 Zeissの従業員は、AppleとCarl ZeissがAR/MR(混合現実)向けの軽量メガネを共同開発しており、年内に発表するといううわさを認めた(私は発表は2018年だと思っていたが、これで年内だと信じよう)。

 AppleもCarl Zeissも、予想通りコメントを拒否した。だが、AppleがARに関心を持っているのは周知の事だ。最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏がそう公言しているのだから。

 AppleとCarl ZeissがARで協力しているとScoble氏が主張するのはこれが初めてではない。同氏は以前、「次期iPhoneは透明だと100%確信した」と主張した。この透明なiPhoneなるものについて、私は全面的に否定する記事を書いたことがある。

 さて、ARメガネ/ゴーグルに話を戻そう。これは2017年の大ブームになるだろうか?

 AppleのARメガネについて、すぐ却下したりせずに、賛否両論をみてみよう(もっとも、現実的な“賛同”の主張を考えるのは難しいが)。

賛成点

  • AppleはiPhoneの販売減速を補うために、新しいヒット商品を出す必要がある
  • AppleがARに注目していることは、Cook氏の過去のコメントからも明らかだ
  • ARは多くの企業が群がっている分野だ
  • ARは新たなアプリ市場を生み出すだろう

否定点

  • ARは必ずしもメガネやゴーグルの形状である必要はない。自動車のヘッドアップディスプレイも、スマートフォンを目の前にかざして自分の周囲の情報をディスプレイに表示するのも、ARだ。このことを覚えておくのは重要だ。
  • AR市場に既に投入された製品はあまり成功していない。現在、AR/VR(仮想現実)の規模はどのくらいなのだろうか?
  • Appleのエコシステムは現在、iPhone(そう、MacではなくiPhone)を中心に展開している。この世界の外側に位置する新製品は、Appleが成功を保証しないかぎり、邪魔モノになってしまう。
  • 戦略的に、Appleにとって新製品でAR市場を混み合わせることにあまり意義はない。Appleの製品ラインアップは既に雑然としている。
  • Appleの2017年の重要な製品は(最終的なモデル名が何になるにしても)「iPhone 8」だろう。今年、iPhoneから離れた製品を出すのは、Appleにとってあまり得策ではない。
  • VR/ARの隆盛に対するAppleなりの回答は、iPhoneに対応機能を追加することだろう。そうすればさまざまな面で有意義だからだ(iPhoneの販売促進につながる新機能になり、プッシュしなければならない新しいラインアップの製品ではなく、iPhoneのエコシステムを掌握し続ける助けになる)。

結論

 すべてはバランスの問題だ。AppleがiPhoneの販売不調を補う新製品を必要としており、流行に敏感な人々が注目しているのはAR端末なので、(AppleがAR端末を発売するのは)論理的であるように思える。

 一方で、(AR関連の)新製品を出せば、既存製品から焦点を移すことになる。iPhoneを購入し続けてほしいなら、これはAppleにとって利口な策とは言えない。iPhoneはAppleにとって、最大の収益源なのだ。

 Appleにとって最も論理的な道は、iPhoneをAR市場参入の中心に据えることだろう。

 

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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