Airbnbと東京大学が共同研究へ--民泊のもつ社会課題解決の可能性を探る

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 Airbnbは1月12日、民泊(ホームシェアを含む短期賃貸)における社会課題解決の可能性について、東京大学城所哲夫研究室(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻)および、東京大学大月敏雄研究室(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻)と共同研究を開始すると発表した。

 同社によると、現在、日本の都市では高齢少子化社会の到来にともない、約820万戸の空き家が存在するという。これらの空き家の中には、廃屋になるなど危険な状態にあるものも存在し、社会課題になりつつあると説明する。

 一方、世界各国では自分の家や空きスペースを旅行者に貸し出す民泊(ショートタームレンタル:短期賃貸)が急速に拡大。日本においても、海外からの訪日旅行客が急増し、2020年の東京五輪に向けて国内の宿泊施設不足が予想される中、2017年には民泊新法の制定が予定されるなど、社会変化のタイミングを迎えている。

 同研究では、こうした社会変化を踏まえ、民泊が交流人口の増加や新産業開発の切り口として、都市再開発、空き家対策、地方創生、中心市街地活性化などにおいて、いかに活用できるかについて研究する。

 日本が抱える社会課題を解決する糸口を見つけることを目的として、(1)民泊の定義の明確化、(2)民泊を活用した都市再開発・空き家対策・地方創生・中心市街地活性化手法の検討、(3)民泊の地域への効果的な導入において必要となるサービス・技術開発、(4)メガイベントや災害など非日常時における民泊の効果的な活用方法、(5)上記の取り組みが進んだと仮定した場合の2020年における経済波及効果予測といった研究テーマを想定している。

 今回、共同で研究を行う城所哲夫研究室の城所准教授は、地方都市のイノベーションと活性化のための都市計画論研究を専門とし、さまざまな地方都市と連携した研究活動を行っている。また、大月敏雄研究室の大月教授は、環境問題・高齢少子化・経済低成長を背景に、「すでにある環境をいかにつくり変えていくか」「空間のストックをいかに次世代に継承していくか」について取り組んでいる。

 Airbnbでは、「既存インフラの有効活用」と「都市のイノベーション」という2つの視点は、日本のコミュニティにおける民泊というシェアリングエコノミーの導入の成功を握る重要な要素になると説明。また同研究により、民泊を日本社会に根付かせるために想定される市場規模と具体的なソリューションを、地方自治体の将来計画策定や同市場に参入しようとする企業に知見として提供できるとしている。

 同社は、約20社のさまざまな業種(ITサービス業、金融業、建設業、通信業、商社、鉄道業、電機メーカー、不動産業、保険業)にまたがるメンバー・オブザーバーによる討議を開始し、2017年5月に中間報告、2018年2月に最終報告をする予定。

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