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グーグルはAI翻訳の彼方に「汎用人工知能」を見据えている - (page 2)

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 Googleがいろんな用途にAIを役立てようとしていることはすでに報じられている。なかには「Google Home」のリリースで改めて注目を集めた「Google Assistant」(AIを使った音声対応の仕組み)や「Googleフォト」に実装されている画像認識機能などすでによく知られたものもある(もちろん検索サービスも)。

 そうしたある種の花形的存在に比べると、Google翻訳というのはどこか地味なサービスという印象を勝手に抱いていた。だが、そのような翻訳の仕組みの先に、GoogleのAI開発に携わる中核メンバーが汎用AI(Artificial General Intelligence:AGI)の可能性を見ているというのが少々意外で、その意外性に興味を引かれる。

 なお、「汎用AI」とGoogleで検索してみると、さまざまな解説情報が見つかる。「話の中身をわかっている」と思われる人がまとめた「そこそこわかっている人向け」と思える記事も少なくないが、なかには下記のようなかなり砕いて書かれたものもある。

 「難しいことをやさしく説明する」というのは当方がいまだに最も苦手とすることの一つで、こういう例をみると頭が下がる思いがする。

伝説の社員の「20%プロジェクト」から始まったBrainプロジェクト

 この記事を書くに当たって下調べしていたら、今年初めに公開されていた下記のCNET記事に行き当たった。

 この記事には下掲の動画が埋め込まれている。


 このなかに登場しているJeff Deanという人物(Senior Fellowという肩書き、グレイのTシャツを着た男性)が、Google Brainのリーダー、そしてGreg Corrado(Senior Research Scientist、耳にピアスをした男性)がDeanの次に古株のプロジェクトメンバーだそうだ。NYTimesの記事にはCorradoについてはあまり詳しい話は載っていないが、一部では「伝説の人物」として知られるDeanについては比較的詳しく紹介されている。

 Deanが親の仕事の関係で世界各地を転々としながら育ったことや、あるいは1999年にGoogle入社ーー社員番号が25番かそのくらいという大ベテラン社員で、社内でも「別格」とされていることなどだ(Googleの社員格付けシステムはLevel 1から10までしかないが、Deanのそれは「Level 11」だという)。

 そんなDeanが2011年前半に、Google X(社内の研究開発部門)にコンサルタントとして働きに来ていたAndrew Ng(Stanford大学に籍をおく研究者、現BaiduのAI研究責任者)と社内で出くわした。Ngが着手していた「Project Marvin」というプロジェクトの話を聞いたDeanはこの研究に興味を惹かれ、自分の裁量で使える20%の時間を利用してそれに取り組むことにした(Marvinという名前は、有名なMITのAI研究者Marvin Minskyにちなんだものとのこと)。

 その後まもなく、Deanの引きで神経科学の知識があるCorradoが仲間に加わった。さらに、NgがStanfordで面倒をみていた学生(ポスドク)のなかで一番デキのよかったQuoc Leを連れてきて、Leは同プロジェクトのインターン第1号として雇われた。またそのころには「Google Brain」という別称が社内で通用し始めていた……。この記事の前半にはそんな最初期の経緯が書かれてある。

 なお、現在Ngが責任者を務めるBaiduのシリコンバレー拠点(AIラボ)では千数百人の人員が働いているそうだ(Google Brainのスタッフ数は数百人ほどとある)。

見習いとして加わった機械学習分野の重鎮

 ベトナム出身のLeは、のちに「Cat Paper」と呼ばれる研究論文をまとめたグループの中心人物として知られるようになったそうだが、そんなLeが機械学習に関心を持ったのは、Max Planck Institute for Biological Cyberneticsというドイツの研究機関に在籍していた2006年に、Geoffrey Hinton(トロント大学教授)の書いた論文を読んだのがきっかけだったという。

 Hintonは、最近の機械学習関連の話題を扱ったニュースなどでも再三その名前に出くわす人物で、一部では「Hintonマフィア(The Geoff Hinton Lab Mafia)」と呼ばれる人脈も持つほどの重鎮。NYTimes記事には「ブール代数」を考案した19世紀の英国の数学者George Booleの子孫といったティップスも出ている――「great-great-grandson」とあるから玄孫(やしゃご=ひまごの子)か。

 Hinton Mafiaに該当する人物のなかには、FacebookのAI研究責任者Yann LeCun(ニューヨーク大学)、10月にAppleのAI責任者になったRuslan Salakhutdinov(カーネギーメロン大学)、Google Brainを経て非営利団体OpenAIの技術責任者になったIlya Sutskeverなども含まれる。

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