KDDI、KDDI総合研究所、三和交通、境交通は12月20日、「東京観光タクシー」において、多言語音声翻訳システムを活用した訪日外国人向け社会実証を開始すると発表した。期間は2016年12月20日~2017年3月まで。
同システムは、タクシーの後部座席に設置されたタブレットならびにマイクと、運転席に設置されたマイクを利用。それぞれの会話は、クラウド上にある多言語翻訳プラットフォームにより、目的の言語に翻訳される。多言語音声翻訳システムは、情報通信研究機構(NICT)が開発した技術を活用。今のところ英語、中国語(简体中文)、韓国語の翻訳に対応している。
実証内容として、外国人観光客がタクシー内で運転手とどのようにコミュニケーションするかを把握・分析することで、観光客のタクシー利用時の実態を把握する。また、タクシーの運転手に、観光客を乗車させた場合に起きた課題などについてインタビューを実施し、運転手側から見た課題などを調査する。
今回の社会実証では、「東京タクシーセンター」が実施する「地理試験」に準拠した地名3000語以上の翻訳にも対応。言語だけでなく目的地のイメージ画像や映像を再生できるよう、ユーザーインターフェースを刷新した。今後は、GPSを活用して、現在地に適した地名の翻訳など音声翻訳システムの精度向上も計画している。
東京観光タクシーは、時間単位でタクシーを貸し切りでき、東京のさまざまな観光地を巡るサービス。移動中も、「東京観光タクシードライバー認定資格」をもった乗務員が案内するという。なお、KDDIとKDDI総合研究所は、2015年11月から、鳥取県の訪日外国人向け観光タクシーにおいて、多言語音声翻訳システムを活用した社会実証を実施している。
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