そんなGoogleの未来を生きるために必要なのは、新しいGoogleブランドのガジェット類を購入することだけだ。Googleは、ソフトウェアの知性がこれらの同社製ガジェットを魅力的なものにし、ユーザーが自分のiPhoneやGalaxyシリーズ、Amazon Echoなどの他社の“スマートデバイス”を喜んで捨てることを望んでいる。
新興ハードウェアメーカーを支援するベンチャーキャピタルHaxの創業者、Cyril Ebersweiler氏は次のように語る。「Googleはあらゆる企業と競合する。企業はブランディングに最大限尽力すべきだ。棚に同じような商品が隣り合わせて並んだとき、ブランディングに尽力した商品が選ばれる」
Googleがガジェットに挑戦するのはこれが初めてではない。新しいスマートフォンのPixelという名前は、2013年から同社が製造しているノートPCおよびタブレットのシリーズ名で使われているものだ。それらのデバイスは品質を高く評価されてはいるが、ニッチだ(所有者は少ない)。
Googleは幾つか失敗もしている。「Nexus Q」あるいは「Nexus Player」を覚えているだろうか? 覚えていないに違いない。2つともストリーミングデバイスで、いずれも消費者の関心は集めなかった。Googleはこれらの販売を終了した。
Googleはまた、ハードウェア企業の買収にも挑戦した。2011年にはMotorolaを125億ドルで買収したが、2014年には中国のデバイスメーカーであるLenovoに30億ドルで売却した(特許は保有している)。同年、GoogleはスマートホームデバイスメーカーのNestを買収した。Nestは“iPodの父”として知られる元Appleのハードウェア責任者、Tony Fadell氏が共同創業した企業だ。だが、Nestは問題を抱え、従業員に不満が広まり、Fadell氏は2016年、メディアの関心が高まる中でCEOの座を退いた。
新しい一連のハードウェアは、真剣に調整された自社による計画の一環のようだ。Googleは4月、既存ガジェットの見た目と使い勝手を自社で設計したように統一するために、ばらばらな製品ラインの多くを再編した。また、特別なハードウェアグループを結成し、元Motorola幹部のRick Osterloh氏を責任者に据えた。同氏は業界のベテランで、ハードウェアに関する実力で知られている。
統一されたブランドアイデンティティを創造し、同社の「G」ロゴを消費者がリビングや娯楽室に置きたい製品に刻印するという考えだ。
Jackdaw Researchの主席アナリストであるJan Dawson氏は、「Googleの以前のハードウェア製品は、趣味のようなものだったとして片付けられる」と語った。
それももうおしまいだ。Googleは今、その未来を検索している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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