日本電気(NEC)は12月2日、一台から数十台の中小規模デジタルサイネージの導入を容易にするクラウドサービスパック「PanelDirector(パネルディレクター)for Cloud サービスパッケージ」を商品化し、同日より販売活動を開始すると発表した。販売目標は、今後3年間で100ユーザー、1000セット以上。
国内のデジタルサイネージ市場は、商業施設や交通機関における活用に加え、インバウンド需要の増加などに伴い、2015年度で2394億円、2020年度には7920億円に成長することが予測されている(出典:三菱総合研究所「デジタルサイネージの市場動向と可能性」)。同社では、デジタルサイネージの導入を支援するシステムとして、オンプレミス型の「AdWindow」や「美映エル(ミハエル)」を提供しているが、今後の市場では、導入がより容易なクラウドサービス活用のニーズ拡大も見込まれているという。
そこで同社では、主に大規模導入向けに提供している従来の「PanelDirector for Cloud」に加え、中小規模デジタルサイネージの導入に適した「PanelDirector for Cloud サービスパッケージ」の提供を開始する。
新商品は、中小規模のデジタルサイネージでもクラウドサービスを導入したいというニーズに応え、サービスの年間利用ライセンスをパッケージ化したもの。
購入によりライセンスを取得すると、インターネット回線からクラウド上のデジタルサイネージの運用管理を行うためのCMS(Contents Management System)が利用できる。また、同時発売のディスプレイ内蔵型OPS対応専用コントローラ「TP2G」(別売)をディスプレイに装着することで、コンテンツの配信や配信先を振り分けるなどの運用管理が可能となる。
例えば、流通業の多店舗展開において、エリア(関東、関西など)や都道府県、市区町村といった単位で配信コンテンツを設定する「階層管理機能」や、店舗の属性(例:規模や立地条件など)に応じて付与したタグ単位で配信コンテンツを設定する「タグ管理機能」により、柔軟な配信が行えるという。
CMSで作成するコンテンツには、画像(JPEG、BMP、GIF)や動画(WMV、MPEG2、MOV、MP4、WebM)、PowerPoint形式のファイルに加え、URLに紐付くインターネットページの直接表示やタッチパネル操作などにも対応するHTML5など、さまざまなファイル形式のデータを素材として活用できる。また、コンテンツを切り替える際のエフェクト(クロスフェード)の設定も可能。
NECは、社会ソリューション事業に注力しており、世界20カ国以上2600団体以上にデジタルサイネージシステムの導入実績がある。今後、さらなる利便性向上を実現したデジタルサイネージを提供することで、企業や自治体の効果的な情報発信を支援するという。
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