“シェアガール”と巡る、世界で広がる「シェアリングシティ」

石山安珠(クラウドワークス経営企画、シェアリングエコノミー協会事務局担当)2016年12月07日 07時00分
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 11月24日についに日本でも、千葉県千葉市・静岡県浜松市をはじめとする5都市がシェアリングエコノミーによって地域課題の解決を目指す「シェアリングシティ宣言」を共同発表した。

 地域や都市課題の新たな解決手段としてもますます注目が集まるシェアリングエコノミー。世界各国のシェアリングエコノミーサービスを利用する通称「シェアガール」の筆者が、先行する世界の「シェアリングシティ」を紹介していく。

「シェアリングシティ」とは?

 シェアリングシティとは、都市や街中の空間、モノなどの遊休資産を活用したり、シェアリングエコノミーサービスによってモノや人のスキルをシェアしたりすることで、暮らしを豊かにしていこうという考え方のこと。

 シェアリングシティの概念を導入することで、地域における人口減少の問題や、子育て・介護などの地域共助、地域の市民が観光の担い手となるなど、あらゆる地域の課題を解決し、持続可能な社会を創る新たな手段として、大きな関心が寄せられている。

(出典:シェアリングエコノミー協会)
(出典:シェアリングエコノミー協会)

世界で広がる「シェアリングシティ」の波

 シェアリングシティはすでに、ソウル、アムステルダム、サンフランシスコ、トロント、ミラノなど世界各地で広がりを見せている。その中でも、筆者が訪れたソウルなど、注目のシェアリングシティを紹介したい。

【ソウル(韓国)】

 日本の隣国、ソウル市(韓国)は人口1000万人を超える大都市であり、交通渋滞、環境問題、社会保障などさまざまな都市問題を抱えている。そんな中、ソウル市長パク・ウォンスン氏が、2012年に「シェアリングシティ・ソウル推進計画」を発表し、政府主導型でシェアリングサービス活用浸透への整備や、シェアリングエコノミーサービス企業への資金投資などの支援を積極的に行っている。

 ほかにも、ソウル市が保有する公共施設の貸し出しや、写真・公共データなどの一部に市民が自由にアクセスして活用できる仕組みなど、政府主導で公共資産のシェアが広がっている。

世界最大シェアリングシティサミット、“Seoul Sharing Festival2016 ” の様子
世界最大シェアリングシティサミット、“Seoul Sharing Festival2016 ” の様子
世界で初めて「シェアリングシティ」を宣言されたソウル市長パク・ウォンスン氏と
世界で初めて「シェアリングシティ」を宣言されたソウル市長パク・ウォンスン氏と

韓国版Airbnb「Kozaza

 Kozazaは、ソウル市が支援した、2012年創業の韓国発・民泊サービス。訪韓外国人と、家を所有するホストをマッチングする。韓国の伝統的な古民家「韓屋」など、ソウル市を中心に5000以上のユニークな民家に宿泊することができる。

「Kozaza」を利用した時の様子。ホストファミリーが用意してくれた朝食を囲んで
「Kozaza」を利用した時の様子。ホストファミリーが用意してくれた朝食を囲んで

深刻な就活問題を解決するスーツのシェアサービス「Open Closet

 Open Closetは、就職面接などでスーツが必要な若者世代が、寄贈されたスーツをレンタルできる非営利のシェアサービス。若者の貧困問題が深刻な状況から生まれたサービスだ。寄贈者はスーツとともに、次の利用者に就職成功祈願のメッセージなども届けることができる。

ソウル市内にあるOpen Closetの店舗。数千点以上の種類やサイズのスーツや備品が並ぶ
ソウル市内にあるOpen Closetの店舗。数千点以上の種類やサイズのスーツや備品が並ぶ
サイト上であらかじめ予約したスーツを店舗で試着している様子
サイト上であらかじめ予約したスーツを店舗で試着している様子
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