Qualcommとサムスンは現地時間11月17日、サムスンの10ナノメートル(nm)製造技術を利用した初めてのモバイルプロセッサ「Snapdragon 835」を発表した。10nm製造プロセスにより、チップが小型化した上に、搭載されるトランジスタ(処理能力の源)の数も大幅に増えている。
Qualcommで製品管理担当シニアバイスプレジデントを務めるKeith Kressin氏は、次のように述べている。「時が経つにつれ、より高度なノードへの進化がますます複雑になっているのは明らかだ。ご存知のように他のベンダーは撤退しているが、われわれは10nmでサムスンと協力できたことを非常に誇りに思っている」
その成果が、より小さなパッケージでより多くのことができるプロセッサだ。つまり、携帯端末メーカーは、より薄型のスマートフォンにSnapdragon 835を搭載できるということだ。あるいは、空いたスペースを利用して、より大型のバッテリや他のさまざまな部品を詰め込むこともできる。Snapdragon 835は、電力消費の効率化も期待できるという。
統計データも魅力的だ。Qualcommとサムスンによると、14nm製造技術を活用していたこれまでのプロセッサ「Snapdragon 820」および「Snapdragon 821」に対し、Snapdragon 835では、占有スペースが30%縮小し、処理が27%高速化したほか、消費電力は40%減少したという。
このチップは現在製造中で、2017年上半期にデバイスに搭載されて登場する見込みだとQualcommは述べた。こうしたデバイスは2017年2月に開催される「Mobile World Congress」(MWC)で発表される可能性が高い。サムスンの「Galaxy S7」は、「Snapdragon 820」を採用した初のスマートフォンの1つとして2016年のMWCで発表された。
Snapdragonプロセッサは、サムスンやLG、HTCなどの人気の高いスマートフォンで採用されている。「iPhone」には搭載されていない。AppleはQualcomm製の無線送受信機を採用しているものの、独自のプロセッサを設計している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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