阿里巴巴集団(アリババグループ)は、中国のオンラインショッピングイベント「独身の日」の流通総額(GMV)が過去最高の1207億元(177億9000万ドル)に達し、2015年比で32%増加したことを明らかにした。
ただし、前年比増加率で比べると、2016年は2015年に記録した60%を下回った。
現地時間11月11日の24時間にわたって開催された毎年恒例のこのショッピングイベントでは、開始から2時間で72億ドルを売り上げた。開始直後の5分間だけで、アリババのモバイル決済プラットフォーム「Alipay」で処理された金額は10億ドルに達した。2015年には、すべての決済を合わせてGMVが10億ドルに達するのに8分かかった。2016年は、わずか5分弱でGMV総額が10億ドルを突破した。
イベント終了時点で、モバイルデバイスによる取り引きは、配達注文件数が6億5700万件、GMVが989億7000万元(146億ドル)となり、全体の82.07%を占めた。アリババによると、2015年のモバイルデバイスによる注文数は4億6700万件、GMVは98億ドルだったという。
「天猫国際(Tmall Global)」や「淘宝網(タオバオ)」を中心とするアリババのEコマースプラットフォーム全体の決済処理件数は、約10億4000万件に達した。これに対し、2015年の処理件数は7億1000万件だった。
アリババによると、235カ国から国境を超えた取り引きがあったという。中国消費者への販売の多かった国の上位は日本、米国、韓国だった。今回のセールに参加したグローバルブランドには、Nike、Phillips、ユニクロ、adidasなどがある。
アリババの最高経営責任者(CEO)を務めるDaniel Zhang氏は、GMVの増加率が低下したことについて、同社は「単なる指標」だけでなく、中国では依然としてほぼ未開拓状態のEコマース市場が有する将来の機会を重視していると述べた。
Zhang氏は次のように指摘している。「これをオンラインの面だけから見れば、いずれマージンは減少するだろう。しかし、全体像に目を向けると、中国の小売でオンライン化されているのは全体のわずか10%だ。中国ではあらゆる形態の小売がデジタル変革を起こそうとしている。(中略)最終的に、オンラインとオフラインは完全に統合されるべきだ」
アリババは今回、オンラインとオフラインの橋渡し役となることを目指し、「独身の日」を迎える過程で8万軒の実店舗と協力した。また、小売業者が会員プログラムを通じてデジタル接続を確立するとともに、在庫管理を改善できるよう支援したという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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