Donald Trump氏が米国時間11月8日の米大統領選に勝利した後、一部の評論家から、Facebookで拡散された偽情報が、リアリティ番組で一世を風靡した不動産王であるTrump氏の勝利に貢献したとする意見が上がった。
例えば、実在しないDenver Guardianの記事として、Hillary Clinton氏の電子メール流出に関与したFBI捜査官が死亡しているのが見つかり、無理心中した可能性があるというものがあった。ローマ法王がTrump氏を支持したという情報も流れた。
Barack Obama大統領さえも大統領選を翌日に控えた7日、Facebookを名指しで非難した。「Facebook上にあれば、人々がそれを目にし、ソーシャルメディア上にあれば、人々はそれを信じ始める」とObama大統領はミシガンの集会で述べた。「そしてそれは、無意味な情報からなる塵雲を築き上げる」(Obama大統領)
最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏は、偽情報が選挙結果に影響を与えたという話を受け入れなかった。
Zuckerberg氏は10日、カリフォルニア州ハーフムーンベイで開催されたTechonomyカンファレンスで、「個人的には、Facebook上の偽情報はごくわずかなコンテンツであり、それが何らかの形で選挙に影響を与えたと考えるのは非常にばかげた発想だと思う」と述べた。
そうではなく、一部の人々は選挙結果に衝撃を受け、まだ状況を理解しようとしている最中だと同氏は考えている。「偽情報のせいで投票を左右された人がいると考えるのは、あまりに共感性に欠如している」とZuckerberg氏は述べた。
17億9000万人のユーザーを擁するFacebookの社会における役割は大きい。Facebookで情報を得ようとする人がますます増えているためだ。Pew Research CenterとKnight Foundationによると、米国成人の40%以上が情報をFacebookで取得するという。
Facebookの製品管理担当バイスプレジデントを務めるAdam Mosseri氏は10日、Facebook上の偽情報が拡散する問題に取り組むために「われわれがなすべきことはまだかなり多い」と声明で述べていた。
またThe New York Times(NYT)によると、8日深夜にTrump氏がClinton氏を破って大統領選に勝利することが明らかになる中、Facebookの複数のバイスプレジデントや幹部が、Facebook上で非公開のチャットを交わしていたという。上級幹部らは、四半期ごとに開く全員参加の会議でこの問題に取り組み、従業員の懸念を和らげる必要があるとの結論に達したという。チャットを把握し、そこでの決断について知る匿名の情報筋の話としてNTYは報じている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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