グーグル、欧州委に反論--「Android」のオープン性を主張

Katie Collins (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫 (ガリレオ)2016年11月11日 11時52分

 Googleは米国時間11月10日、「Android」ソフトウェアを搭載するすべてのスマートフォンに同社製のアプリ群をバンドルしている慣行について、正当性を主張した。欧州委員会による独占禁止法違反の警告を受けたもの。欧州委員会は、そうした慣行が他のアプリおよびサービスの機会を損ねていると主張しており、Googleはこの主張を否定している。

 Googleは10日、警告に対する回答を提出した。さらにGoogleでシニアバイスプレジデント兼ゼネラルカウンセルを務めるKent Walker氏はブログ記事で、常にAndroidソフトウェアの中核であり続ける「繊細」でオープンなアプリのエコシステムを維持することの難しさを強調した。

 Walker氏は次のように述べている。「欧州委員会のアプローチは、このバランスを崩し、オープンプラットフォームよりクローズドプラットフォームを優先するというシグナルを意図せず送ることになる。つまり、イノベーションが停滞し、選択肢が減り、競争が制限され、価格が上昇するということだ」

 Googleと欧州委員会は、競争に関するさまざまな問題をめぐって何年も前から断続的に対立しており、今回の警告は4月にさかのぼる。欧州委員会は、消費者が自動的にGoogleのビルトインアプリを使うことになり、自らのニーズにより適しているかもしれない他の選択肢を検討できないことを懸念している。これに対しGoogleは、むしろAndroidのオープン性によって消費者の選択肢が増え、他のアプリをダウンロードしやすくなると主張している。

 Googleはさらに、サービスをバンドルしてスマートフォンメーカーに最低要件を課すことには、断片化を防ぐ効果があると主張している。

 傍から見ると、古くさい欧州の規制当局が進歩的なシリコンバレーのイノベーションを抑え込もうとしているように見えるかもしれないが、欧州委員会によるGoogleの追及は結局のところ、公平な競争の場を設けるということが根底にある。欧州委員会は、Googleのライバル(主に米国を拠点とする他の企業)にも欧州地域で同様に躍進できる機会を持たせたいと考えている。

 欧州委員会で競争に関する広報を担当するRicardo Cardoso氏は、Googleによる回答の提出を受けて次のように述べた。「欧州委員会が本日、AndroidのOSおよびアプリケーションに関して欧州委員会がGoogleに送付した異議告知書に対する回答を受け取ったことは事実だ」

 「通常の対応と同様、われわれはGoogleの回答を慎重に検討した上で、今後の進め方について何らかの決定を下すことにしており、現段階で調査の最終結果を判断することはできない」(Cardoso氏)

 最終的にAndroidへのGoogleアプリのバンドルが不当だと欧州委員会が判断した場合、Googleは数十億ドルの制裁金を科せられる可能性がある。ただし、結論が出るまでには数カ月、場合によっては数年かかるだろう。それに、これまでの対応を見ると、Googleは申し立てに対して最後まで戦う可能性が高い。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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