予想外の「トランプ大統領誕生」に不安を覚えるシリコンバレー

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 Donald Trumpの予想外の大統領選勝利に、米国経済のけん引役となったシリコンバレーが不安を抱きながら、今後の出方を息を潜めて見守っている――。日本時間の11月9日夜から翌朝にかけて流れていた各媒体の記事にはそんな印象を伝えるものが多かった。今回はそうした記事のなかから目についた点をいくつか紹介する。

一様に否定的な各メディアの見出し

 最初にこのニュースに関して主要メディアに掲載された記事の見出しを紹介する。いずれも否定的なニュアンスが伝わってくるものだ。

  • 「Donald Trump勝利を受けて、不確実な出来事に身構えるシリコンバレー」
     Silicon Valley Braces for Uncertainty After Donald Trump’s Victory(WSJ)
  • 「Trump大統領誕生で、未知の事柄におそれをなすテクノロジ業界」
     Tech Fears the Unknown With a President Trump(Bloomberg)
  • 「Trump当選によろめくシリコンバレー」
     Silicon Valley Reels After Trump’s Election(NYTimes)
  • 「Trump大統領誕生はシリコンバレーにとって何を意味するのか?いい話はまったくない」
     What does a President-elect Trump mean for Silicon Valley? Nothing very good.(TechCrunch)
  • シリコンバレーとワシントンとの蜜月の終わり?

     今回の出来事から改めて感じるのは、これまで8年間でシリコンバレーとワシントン(オバマ民主党政権)との関係がどれほど緊密なものになっていたかという点。

     前々回の選挙でBarak Obamaがソーシャルメディアをうまく使いながら当選したり、あるいはGoogle=AlphabetのEric Schmidt会長がObamaの選挙に肩入れしたりしていたあたりから顕在化した流れだろう。そのObamaが折に触れてGoogle、Facebook、Amazonといった主要各社の拠点に足を運んでいたことは既報の通り。またGoogleから現政権の最高技術責任者(CTO)に引き抜かれたMegan Smithや、逆にホワイトハウスの報道官からAmazonに天下ったJay Carneyのように、双方向の人の流れも定着した感があった。

     一方、シリコンバレー各社の社会的な存在感の高まりに伴い、たとえばGoogle(主に独禁法がらみの問題)やApple(法人税やプライバシーの問題)がワシントンとよくも悪くも関係を持たざるを得なくなったことも周知の通り。2008年当時の状況は今となってはよく思い出せない部分も多いが、少なくともSteve Jobsあたりはワシントンともっと距離を置いていたかと思う。

     いずれにしても、これまで持ちつ持たれつでやってきたシリコンバレーとワシントンの関係がこれでひとまず打ち止めとなる可能性が感じられる。

     今回の選挙戦でHillary Clintonがインターネット業界から集めた選挙資金は、Trumpのそれよりも114倍も多かったという一節がBloomberg記事のなかにあって興味深い。これも現政権とシリコンバレーとの蜜月ぶりを物語るものといえよう。

     また6月初めに、Intelの最高経営責任者(CEO)Brian Krzanichが個人的にTrumpの選挙資金集めの集まりを開こうとしたが、批判を受けてこれを中止していたことも思い出される。さらにシリコンバレーの有名人のなかでは、異端児のPeter Thielが唯一Trumpを支持し続けていたが、Trumpのセクハラ発言が大騒動になった際に、Thielと利害関係のあるMark Zuckerberg(Facebook CEO、Thielは初期の出資者で現在も社外取締役)やSam Altman(Y Combinator責任者、Thielは同社のアドバイザー)がThiel擁護の釈明を迫られていたことなども記憶に新しい。

     なお、以前から共和党員として知られるMeg Whitman (Hewlett Packard EnterpriseのCEO)も、今回の選挙ではClinton支持を打ち出していたようだ。

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