中国でのインターネット検閲が、さらにひどいことになりそうだ。
中国の議会は現地時間11月7日、サイバーセキュリティに関する新たな法案を可決した。これにより、中国のインターネットユーザーにも世界のテクノロジ企業にも深刻な影響が及ぶ可能性があると、Reutersは報じている。新しい法律は2017年6月に施行される予定だ。
プライバシーについて、最終的な法案は「重要情報のインフラ事業者」(中国内外のテクノロジ企業)に対し、ユーザーに関するデータを中国国内のサーバに保存するよう求めている。
さらに、Reutersの記事によると、法案ではこれらの企業が安全保障当局に「技術支援」を提供するとともに、中国のセキュリティ基準に合格するよう求めているという。
中国は世界最大のインターネット市場で、米国の総人口の2倍に当たる約7億人のユーザーがいる。しかし、中国のユーザーはFacebookやGoogleなどのプラットフォームの利用に制限をかけられており、グローバル企業の多くは中国の厳しい規制への対応に苦労している。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの中国担当ディレクターを務めるSophie Richardson氏は、「オンラインでの言論とプライバシーが、平和的手段による批判に対する中国政府の姿勢を示す指標であるならば、中国のネチズンや大手グローバル企業を含め、誰もが今や危険にさらされている」と述べた。
「この法案の成立は、ユーザーを重い刑罰から保護する手段がないことを意味する」(Richardson氏)
だが中国当局は、新しい法律はユーザーに恩恵をもたらすと主張している。中国国営通信社の新華社通信は、新しい法案の狙いについて、中国のインターネットユーザーの情報を保護するとともに、不正の発生を減らすことだと述べた。
Associated Pressによると、中国サイバースペース管理局でサイバーセキュリティ局長を務めるZhao Zeliang氏は記者会見で、「中国の法律に従い、中国の消費者の利益にかなう限り、われわれは中国参入を目指すいかなる企業も歓迎する」と述べたという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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