Intelの新型ドローン「Shooting Star」は、プロセッサの方が有名な同社による最新のUAV(無人航空機)だ。IntelのUAVグループ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのAnil Nanduri氏は、ドローンが同社のグローバル戦略に合致する理由について説明した。
Nanduri氏は米ZDNetの取材に対し、「われわれはドローンを空飛ぶコンピュータと考えている」として、次のように述べている。
1機のドローンだけでなく、ドローンの群れとして考えてみてほしい。これはライト(光の)ショーを対象として、それに特化して設計されたもので、われわれはこのシステムを使って、500機のドローンを同時に飛行させるという新しいギネス世界記録をすでに打ち立てた。
Shooting Starシステムはライトショーのために設計されており、そのため当初は、テーマパークや競技場、大規模な公共のイベント(米独立記念日や大晦日)におけるショーなどのエンターテインメントに使われる予定だ。今回のショーは、電気仕掛けの花火のようなものだが、ショーを支えるIntelの頭脳があれば、素晴らしいアニメーションもわずか数日で作成できる。
クアッドコプターのShooting Starは1機あたりの重量がわずか280gで、組み込まれたLEDライトにより、40億を超える色の組み合わせが生み出せる。システムのアルゴリズムによってドローンの配置場所が決まり、飛行経路が最適化される。数百機のドローン群全体を、1台のコンピュータで制御できる。
ドローンにはプロペラのケージやジオフェンシングなどの安全機能が搭載されているだけでなく、かなり軽量のため、Nanduri氏によると、飛行テスト中、同氏がドローン群の着陸エリアの真ん中に立っていた時、そのうちの1機が同氏の頭の上に着陸しても気づかなかったという。
IntelのUAV群は今後、ビル建設の自動化や公益設備の検査、または捜索や救助活動など、娯楽以外の目的にも使われる可能性がある。
500機のドローンを使った(世界新記録の)デモンストレーションはドイツで行われたが、ドローンによる類似のライトショーは近く米国でも開催されるかもしれない。米連邦航空局(FAA)の商用ドローンに関する新規則「Part 107」は通常、この種の利用を禁じているが、Intelは免除を受けており、夜間に飛行させる場合でも1人のパイロットが複数のドローンを担当できるからだ。
Nanduri氏によると、Intelのドローンチームにとって特に困難だったのは、複数のシステムが互いに衝突しないように制御することだったという。
Nanduri氏は次のように述べている。「そのため、これは数の上での記録というだけでなく、それをやり遂げ、ボタン1つでシステムがそれをできるようにしたという、複雑さの記録でもある。われわれは、すべてのソフトウェア、すべてのアルゴリズム、社内で実現するのに必要なあらゆるものを設計した」
「処理が必要なデータは膨大にあるため、さらに多くの計算能力が動員されることになる。そして、より多くの計算能力を要するものはすべて、Intelの戦略とぴったり合致する」(Nanduri氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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