Adobe Systemsは、基本的な機能を備えた製品をリリースする少し前に「Project」を冠したアプリケーションを発表するのが新たな傾向となっている。2015年秋に公開された「Project Comet」が、2016年春に「Adobe Experience Design CC(Adobe XD)」になったことを思い出してほしい。今回発表されたのは、「Project Felix」だ。Project Felixは、2Dと3Dの要素を組み合わせてリアルな画像を作成する必要がある開発者を対象とする製品だが、「Photoshop」や「Illustrator」を使う場合と比べて、求められる面倒な作業がはるかに少ない。
Project Felixは、3Dオブジェクトを追加し、素材やライティング(光源)を指定して画像を挿入してから、質の高いレンダリング機能を使ってレンダリングし、シーンを作ることができる。
だが、ここで決め手となるのは、機械学習技術へのAdobeの長年にわたる取り組みから生まれた最新の成果である自動化だ。たとえば、Photoshopのコンテンツ認識機能が高まったのも、機械学習技術のおかげだ。大手IT企業はいずれも人工知能(AI)に取り組んでおり、Adobeは「Adobe Max 2016」で、クラウドプラットフォーム全体をカバーするサービスレイヤとして、新たにブランド化したAI技術「Adobe Sensei」を展開すると発表した。
たとえば、Project Felixでは、Adobe Senseiにより、背景の画像を分析して水平出しし、その上にオブジェクトを自動的に正しく配置したり、ライティングの位置を再現して正しい向きの影を落としたりできる。レンダリングされた最終画像をサムネイル形式でリアルタイムにプレビューできる機能もある。
Project Felixは、年内に「OS X」向けと「Windows 10」向けのベータ版が正式名称でリリースされる予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス