シャープが発表した2016年度上期(2016年4~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比28.1%減の9196億円、営業利益は前年同期の251億円の赤字から7900万円の黒字に転換。経常損失は前年同期の386億円の赤字から若干改善したものの、マイナス320億円の赤字。当期純損失は前年同期の836億円の赤字だったものが、マイナス454億円の赤字となった。
シャープ 代表取締役副社長兼管理統轄本部長の野村勝明氏は、「2016年度上期の売上高は前年同期から大幅に落ち込んだものの、中国での液晶テレビ事業の体質改善などによる固定費削減効果があり、利益は大幅に改善した」と総括。大手顧客向けの中小型液晶およびカメラモジュールの販売減や、米州における液晶テレビ事業のブランドライセンス化、国内スマートフォン市況の低迷が影響したが、構造改革の取り組みなどにより、収益が改善し、営業黒字化したという。
一方、2016年度の通期見通しを公表。売上高は前年比18.8%減の2兆円、営業利益は257億円、経常損失はマイナス163億円の赤字、当期純損失は418億円の赤字とした。
「通期見通しについては、売上高ではディスプレイデバイスの販売減などが影響。営業利益は構造改革への取り組みに加えて、鴻海精密工業グループとのシナジー効果などもあり黒字化する。最終利益は下期には黒字化する見通しだ」と述べた。
下期は、売価ダウンなどの影響があるものの、販売増の効果のほか、鴻海精密工業グループとのシナジー効果として99億円を見込む。「下期は256億円の営業利益を見込んでおり、大幅に改善することになる」とした。
なお、8月12日に、鴻海精密工業からの出資により、債務超過が解消。9月末時点での総資産は2649億円(6月末はマイナス750億円)、自己資本比率は15.3%(同マイナス6.0%)となった。
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