全国小中学生プログラミング大会実行委員会は10月22日、「第一回全国小中学生プログラミング大会」の最終審査と表彰式を開催した。主催は、角川アスキー総合研究所、UEI、CANVAS。後援は、総務省、朝日新聞社、秋葉原タウンマネジメント。
この大会は、プログラミング教育の義務化を見据え、全国の小中学生にプログラミングを表現する場を提供することで、学ぶ強い動機付けになることを目的としている。子供向けの本格的なプログラミングコンテストとしては、日本で初めて小学校低学年までを対象としている。
応募内容は、PC、スマートフォン、タブレットのほか「Raspberry Pi」などで動作するオリジナルのプログラム(開発言語やツールは問わない)。審査基準は、「アイデア」「プログラミング技術」「完成度」の3ポイントで評価する。第一回大会の募集テーマは、「ロボットとわたしたち」。
夏休みでの開発を想定した8月20日から9月15日までの募集期間中、北海道から沖縄まで、各地の小中学生から129の作品が寄せられ、1次・2次審査を経て「入賞作品」の10作を決定した。10月22日の最終審査と表彰式において、グランプリとなる総務大臣賞に「ママロボ ハートちゃん」、準グランプリの朝日新聞社賞に「暗算自動はんばいき」が選ばれた。
「ママロボ ハートちゃん」は、小学5年生の男子とデザインなどを担当する妹2人によるチーム「kohacraft.com」の作品。本体上部に荷物をのせて相手に届けてくれるロボットで、コントローラーで前、右、左方向に操作できる。既存のマイコンキットではなく、マイコンと基板を組み合わせて自作したコントローラーを使用して、C言語でプログラミングされている。その完成度の高さやユニークなデザインが評価された。
「暗算自動はんばいき」は、小学3年生の小川桃佳さん、小学1年生のりりかさんによるチーム「TEAM MOMORIRI」の作品。3問のフラッシュ暗算(次々に表示される数字を暗算する)に正解すると、お菓子が出てくる自動販売機。プログラミング言語「ScratchX」で作ったフラッシュ暗算のプログラムと、教育版のレゴ・マインドストーム「EV3」で作った自動販売機ロボットを組み合わせた。
審査委員長の東京大学大学院教授 河口洋一郎氏は、「非常に多様性に富んでいて非常に選ぶのが難しかったです。ですが、今日、私はみなさんの作品を見ていて、現代版ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチの世界に突入するための人材が育成されているようにも感じました。僕は個性などを含めて、これから理解しがたいくらいブッ飛んだ人材がここから生まれてほしいです」と総評した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス