10代に人気の高い「プリ画像」というアプリをご存知だろうか。
プリ画像とはプリクラ画像のことではなく、GMOの無料画像コミュニティアプリ。スマホやLINEの待受や壁紙として設定できる画像を閲覧・保存できるほか、ユーザー同士のコミュニケーションもできる。「プリゾー」というゾウのキャラクターのイラストやアイコンを見かけたことがあるかもしれない。
スマホアプリのほか、PCからも閲覧できる。すでに800万ダウンロードを突破し、1500万枚以上の画像が投稿されており、毎日数万枚がアップロードされている状態だ。
プリ画像の機能は以下の通り。「画像」では、複数のタグを付けて写真を投稿・閲覧でき、閲覧した画像には「いいね」やコメントができるほか、他のユーザーが投稿した画像を1タップでダウンロードもできる。「トーク」ではユーザー同士の交流もできるし、他のユーザーに質問を投げかけることができる「Q&A」や、若者が感心を持ちそうなニュースが読める「ニュース」機能もある。
このアプリを大人が覗くと、ちょっと驚くような状態になっている。芸能人が写った写真は投稿されまくっているし、あちこちで「著作権侵害画像ばかり」という声があがっている。それだけでなく、キス写真が多数投稿されているなど、10代のSNS利用の問題点がはっきり分かる状態となっているのだ。プリ画像から、10代の著作権意識やその他の問題点について見ていきたい。
アプリを開くと、タグごとに画像が並んで表示される。ここから、10代のSNS利用の傾向と問題点がはっきりと浮かび上がってくるのだ。
すぐに気がつくのが、LINE用の画像が多数投稿されていることだ。たとえば、「タイムライン」「タイムライン ネタ」などの、タイムライン絡みのタグは非常に多い。検索マークをタップすると、多数の検索キーワード候補が表示されるが、そこにも多数のタイムライン関係の検索キーワードが並んでいる。
タイムラインを見た人に全員スタンプさせる「友達確認」、「私ってどういう人?」「どんな人が好き?」などの選択肢を複数用意して選択肢に合ったスタンプを押させるアンケートや質問系、「先着◯人限定で~します」という遊び系などの画像が多数投稿されている。10代の子たちは、ここで目的の画像を拾い、自分のタイムラインに投稿して友達確認やアンケートをして楽しむというわけだ。Google検索や「LINE Q」などよりも投稿されている種類が多いため、自由に選べるというメリットがある。一方、彼らがLINEで延々と時間を浪費していることにも容易に思い至る。
そのほか、「トプ画」「ホーム画」「ペア画」タグも目立つ。「トプ画」、「ホーム画」はLINEのホーム写真(カバー写真)に使う画像のこと。「ペア画」はLINEの一枚の絵になるイラストや写真のことで、LINEのホーム写真などに掲載して利用する。周囲に恋人や親友であることを示したい場合などに使われることが多いようだ。2枚必要なので、2枚分まとめて投稿されている。そのようなところに投稿できる写真が多数用意されているのだ。
もちろん10代なので「恋愛」に関心が高く、「恋愛」タグで恋愛系ポエム画像などもたくさん投稿されている。それだけではなく、今時らしくキス写真も多数投稿されている。
プリ画像では、自分が検索したキーワードのタグが画像のトップページに並ぶ仕組みとなっている。しかし、私がアプリをダウンロードして開いたときに最初に表示されたように、キス画像がユーザーの目に入る可能性は高い。「MixChannel」の場合と同様、頻繁に見かけることで心理的抵抗が減り、自分もやりたいという気持ちが起こってくると考えられる。
中には「カップル キス」「ちゅープリ」「キスプリ」などのタグで、キス写真が多数投稿されている。口元だけスタンプで隠しているものもあるが、顔がはっきりわかるものも多い。タグや説明文を見ると、「中2」と「高1」のカップル、「付き合って9日目」などの情報もわかる。もちろん、そのような画像も「ダウンロード」をタップするだけで保存できてしまうのだ。
多くの子たちはただ見てもらいたい、「いいね」やコメントがほしいと思っているだけだが、不特定多数の誰かに保存されたり、別の場所でさらし者にされてしまう可能性もあるのだ。
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