米通信大手AT&Tは米国時間10月22日、Time Warnerを買収することで合意したと発表した。買収額854億ドルの半分を株式、半分を現金で支払う。
この買収により、AT&Tはケーブルテレビとブロードバンドサービスの「U-verse」や衛星放送サービスの「DIRECTV」の膨大な数の加入者に、動画を提供できるようになる。
買収は、当局の承認を経て2017年末までに完了する見込み。これによりAT&Tは、特にCNN、HBO、DC Comics、Warner Bros、Cartoon Networkなど、Time Warnerの強力なコンテンツ群を手中に収めることになる。
AT&Tは買収後の同社について、モバイルブロードバンドと動画のバンドルによって全米規模でケーブルテレビ企業と競合する、初の米モバイルプロバイダーになろうとしているとした。
同社はこの買収により、モバイルとソーシャル向けの新しい形のオリジナルコンテンツが生まれるとも述べた。
Time Warnerの株主は買収条件の下、1株あたり107.50ドル相当を現金53.75ドルとAT&Tの株式53.75ドル相当で受け取る。買収するための現金は、新たな負債とAT&Tのバランスシート上の現金で賄われる。
2015年、AT&TはDIRECTVを490億ドルで買収し、米国最大の有料テレビ企業となった。
AT&Tはオンライン中心のサービス「DIRECTV NOW」を立ち上げることも発表しており、今回の大規模なTime Warner買収により、Netflixなど大規模なインターネット動画配信サービスへの布石を打っている可能性がある。
AT&Tは動画視聴ネットワークを獲得するだけではなく、コンテンツ自体も保有することになる。
なお、Time Warnerとは別の企業であるTime Warner Cableは2015年、Charter Communicationsと合併する計画を発表している。
今回の大規模な買収を当局が承認するかは、時間がたてば分かるだろう。
2011年、ケーブルテレビのComcastがコンテンツ制作のNBC Universal に対し、経営支配権が生じる370億ドルの株式を取得したが、これをFCCが承認するのに約2年かかっている。
AT&TはTime Warner買収のほか、第3四半期決算も発表した。1株当たり利益は0.54ドル、売上高は409億ドルだった。営業利益は前年同期比8.2%増で、ワイヤレス事業では米国内で契約者数が230万人増加した。
AT&Tは売上高が4.6%増加したことについて、「主にDIRECTVによるもの」とした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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