今、どのようなテクノロジが実際に企業活動に使われているのか、または、今後使われていくのかといった動向は、ネットのニュースを日々見ていても、チェックしきれるものではない。人がネットニュースをチェックするときは、意識的にしろ無意識にしろ、自分に直接関係のある技術中心に目が行くものだからだ。そこで、多様な会社の事例を伴い、テクノロジの最先端を見渡せる本書のような本が貴重な情報源になる。
本書は、インテリジェンスの運営する「dots.」というコミュニティスペースで開催されたカンファレンスの模様を編集した内容とのことだが、30社以上の取り組みについて一覧できる。テクノロジの解説書ではないため、「FinTech」「IoT」「オムニチャネル」などの用語については、だいたいの意味を知っていることが前提。これらの実際のところを知りたい人向けと言える。
本書で特筆すべきは、第5章に「チーム開発の最前線」としてまとめられている、開発チームの作り方や開発の進め方の事例だ。どのようなテクノロジを駆使しても、実際に使えるようにするのはエンジニアたちであり、人の力がなければ成り立たない。成功するアウトソーシングのやり方や、チーム内でのコミュニケーションの取り方など、なかなかのぞけない他社の話から、現状、自社に足りないことが見えてくるのではないか。
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