[ブックレビュー] 変革は縁(エッジ)から始まる--「ピア ネットワークの縁から未来をデザインする方法」

インターシフト
詳細:単行本 / 237ページ / インターシフト / 価格:1944円 / 著者:スティーブン ジョンソン / 監修:Steven Johnson,田沢 恭子 / 発売日:2014/07/10 / 外形寸法 (H×W×D):19.0cm×13.2cm×2.2cm / 重量:0.3 kg
内容:変化する社会を予測するヒントになる1冊。変革はつねに中心からではなく縁(エッジ)から始まり、大切なのはその変化を見逃さないこと。コミュニティ、情報メディアからテクノロジ、企業、政治まで、ピア(対等)な関係が社会を変えていくことになるという。
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 トップダウンで物事が決定される関係はなくならないだろうが、それよりも人間同士の対等なつながり(ピア)が、社会の中で重要な役割を果たしていくことは明らかだ。本書によるとこのようなつながりは、インターネットにも似ているが、必ずしもインターネットが介在しているとは限らないという。そして現代になって始まったことでもない。しかし誰でもが活動の中心になり得る状況を分析することは、これからの社会の変化を予測するのに大いに役立つはずだ。

 本書は偏った視点でしか報道しないメディアが、本当に伝えるべきことへの言及から始まる。それはまだ記憶に新しい、USエアウェイズのジェット機がハドソン川に着水した事故に関する報道だ。たった1人のパイロットを英雄扱いするだけで終わっていた報道に対して、なぜそのパイロットが英雄たり得たのか。その複合的な要因をひもといていくことで、明らかになることがあるのだ。そこには、あまたの人の英知の集積と革新的な技術がネットワーク化して存在している。

 ネットワークが問題を解決してきた例は、ほかにもたくさんある。ネットワークは、町の問題を解決したり、製品を作りたい人々の資金援助を可能にしたり、企業の形態さえも変えてしまう。本書は、ネットワークが変えていく社会を考察するだけではなく、未来をも予測する。本書を読めば私たちが今何をするべきなのかが見えてくる。

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