「PlayStation VR」のセットアップから装着、実際の仮想現実(VR)体験までをお伝えした第1弾に引き続き、米CNET記者によるレビューをお届けする。
コントローラとルームトラッキングは、現在のセットアップでは少々残念な点がある。ほとんどの場合、何かの調整が必要になる。ユーザーが180度向きを変えると、カメラレンズの視界から「PlayStation Move」コントローラが物理的に消えるため、カメラはコントローラの動きをトラッキングするのに苦労するようだ。コントローラが視界の外側にあるときは、その位置を推測しようとしているようだが、こうした状況で実際に何が起きているのかはよく分からない。
空間トラッキングと空間認識の精度は、プレイするゲームによってさまざまだが、「SUPERHYPERCUBE」や「Job Simulator」などは歩行や身体の動きを見事に認識する。問題はゲームによって精度が変わることだ。ユーザーの動きをトラッキングして、それをVRの世界に当てはめる能力は、ゲームによって大きな違いがある。ユーザーはプレイ中にカメラの視界の外に出てしまわないように、自分が動き回れるスペースを把握しておく必要があるが、それが難しいこともある。
ユーザーを立たせるゲームもあれば、座らせるゲームもあり、特にこだわりのないゲームもある。現在のところ、VRはユーザー側の試行錯誤が大きな比重を占めているため、プレイエリアにどれだけのスペースを使えるかに関係なく、ある程度臨機応変な対応が求められる。
また、コントローラを頻繁に取り替えなければならないことにも気づいた。これでは間違いなくムードが台無しになってしまう。Moveコントローラでゲームをプレイ中に、「PlayStation 4」(PS4)のメニューに戻って何かを調整する必要が出てきたら、どこか近くに隠れている「DualShock4」を探し回らなければならなくなる。Moveコントローラでメニューを操作することも可能ではあるが、DualShock4ほど頼りにならない。控えめに言っても、使いにくく感じる。
誰かにセコンドに付いてほしいと思うことが何度もあった。側で筆者がいる位置を教えてくれたり、適切なコントローラを渡してくれたり、コーヒーテーブルにぶつからないように制止してくれたりする人だ。これはある意味、現在の本格的なVRすべてに共通することだが、「PlayStation VR」(PSVR)は既存のプラットフォームに詰め込まれたものであるため、ゼロから作り上げられたものではないという感じがする。
とはいえ、ソニーが事実上、PS4に新しい装置を組み込んで改良し、VRや同システム向けに既に提供されている周辺機器群に対応させたのは、ある意味で驚くべきことだ。最初から計画の一部だったのだろうか。
一部のゲーム(や体験)は、他よりもはるかに優れている。こうした格差は、VRという未知の領域が多い分野が開拓されていく間、なくなることはないだろう。
だが、全体としてみると、PSVRのローンチタイトル群は明らかに非常に洗練度が高い。提供されているほぼすべてのタイトルに、真のプロダクションバリューが感じられる。一方で、これらのゲームの中には、標準的な正規価格のPS4ゲームに比べて、規模や長さ、内容が限定的であると感じられるものもある。そのことを反映して、大半のPSVRゲームは20~40ドルの価格帯に設定されており、60ドル近くするタイトルはごくわずかだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス