Facebook、企業向けSNS「Workplace」を正式公開

Natalie Gagliordi (CNET News) 翻訳校正: 中村智恵子 高橋朋子 (ガリレオ)2016年10月11日 10時28分

 Facebookが、広く普及している同社ソーシャルネットワークの企業向けバージョンを公開した。同社が数年前から開発を進めていたものだ。

 Facebookは米国時間10月10日、この「Workplace by Facebook」を正式に公開した。これは従業員が企業のポリシーやセキュリティ標準を順守しながら、互いにつながって情報を共有できるコミュニケーションプラットフォームだ。

 同プラットフォームは「Facebook at Work」という暫定的な名称のもと、2015年1月から試験運用されてきた。


提供:Facebook

 WorkplaceはFacebookと同じアルゴリズムを採用しているが、職場でのやり取りに即した機能がいくつか追加されている。その結果できあがったのは「Slack」「Gmail」「Asana」を組み合わせたようなコラボレーションポータルで、従業員はパーソナライズされたニュースフィードの閲覧、文書や写真の共有、グループやイベントの作成、業務用プロフィールの更新、および同僚への個人的なメッセージの送信などができる。

 Workplaceは個人のFacebookアカウントとは完全に切り離されており、同僚間で共有された情報にはWorkplaceプラットフォーム内からしかアクセスできない。反対に、雇用主がWorkplaceアカウントを使って従業員の個人的なFacebookプロフィールの情報を閲覧することも不可能だ。ネットワークは独立していて社内に範囲が限定されるため、従業員がWorkplaceに投稿した情報を見られるのは同じ企業の同僚だけだ。

 またセキュリティ面では、トランスポート層プロトコルや機械学習による脅威検知といったFacebook独自のインフラとツールでデータを保護している。加えて、Cloud Security Allianceなどが定めるサードパーティーの業界標準にも準拠しているとFacebookは述べている。セキュリティとプライバシーに関して、Workplaceのウェブサイトでは以下のように説明している。

 インターネットに独自のポジションを築くことで、Facebookは迫りくる最新の脅威への可視性を獲得し、それによりWorkplaceインスタンスへの攻撃をリアルタイムで防御する能力を備えている。さらに、Workplaceは企業の既存のID管理およびアクセスシステムと統合するように設計されているため、企業は大半のエンタープライズソフトウェアベンダーに共通するオープン標準を用いて、自社データへのアクセスを完全に制御することが可能だ。

 また、Workplaceで共有された情報を利用して、個人のFacebookアカウントにターゲット広告を提供することはないとFacebookは述べている。

 Workplaceは広告フリーのため、独自の価格体系によって売り上げを獲得する。Workplaceのウェブサイトによると、その月にWorkplaceを利用した従業員の人数で月額料金を決定するという。また長期の利用契約はない。料金モデルは次の通りだ。

  • 月間アクティブユーザーが1000人以下の企業は1ユーザーあたり3ドル
  • 月間アクティブユーザーが1001人~1万人の企業は1ユーザーあたり2ドル
  • 月間アクティブユーザーが1万人を超える企業は1ユーザーあたり1ドル

 比較対象として、Slackはチームコミュニケーションサービスの基本版を無料で提供しているが、「Standard」版の月額料金は1ユーザーあたり6.67ドルとなっている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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