LINEは9月29日、コミュニケーションアプリ「LINE」のチャットボット開発や普及を目的に、新たな「Messaging API」を公開した。同社は4月7日より、誰でもチャットボットを開発できる「LINE BOT API Trial Account」を無償提供し、外部開発者が、LINEのチャットボットを自由に開発できる環境を試験的に提供していた。
新しいMessaging APIでは、(1)シンプルに“はい、いいえ”など2つのアクションを提示する「Confirm Type」、(2)画像やテキストなど複数のアクションボタンを組み合わせた「Button Type」、(3)情報を横方向にスクロールする形式で複数コンテンツを配置できる「Carousel Type」の3種類のメッセージタイプが新たに追加された。
また、Messaging APIを使用して作成されたチャットボットは、LINEの複数人のトーク・グループトークにも対応する。サービス事業者は今後、複数人の会話の中で、レストラン情報など適切なコンテンツを提供できるようになる。
Messaging APIの料金体系も見直された。これまでMessaging APIを利用したメッセージ配信は、LINE ビジネスコネクト導入企業やパートナーに限られていたが、新Messaging APIの公開により、LINE公式アカウントと、LINE@アカウントにも対応した。LINE公式アカウントでは、メッセージの通数に応じた従量課金で、LINE@アカウントでは、プランごとに設定されたオプション契約によって、誰でもAPIを利用したメッセージを導入できる。
Messaging APIの公開にともない、アカウントからユーザーに送るメッセージとして、能動的にチャットボットから配信する「プッシュメッセージ」と、ユーザーが送ったメッセージや情報に対して即時に返信する「リプライメッセージ」の2種類に区分して利用可能。リプライメッセージについては、アカウント種別やプラン・メッセージの通数を問わず、すべて無料で利用できる。
そのほか、通知連携サービス「LINE Notify」も提供される。API連携することで、外部ウェブサービスやアプリなどからの通知を、LINEアカウントのメッセージを通じてユーザーに配信できるサービスだ。
ウェブサービス自動連携ツール「IFTTT」と連携し、天気情報や特定の言葉を含んだメールの受信など、さまざまなサービスの通知をLINE上で受け取れるようになる。ただし、利用規約で広告や販売促進などの目的での利用は禁止されている。
また、開発者向けに、ソフトウェア開発における共有・管理ツール「GitHub」と連携および、サーバ管理・監視ツール「Mackerel」との連携も開始された。
同社では、Messaging APIの一般公開に先立ち、自社やパートナー企業とチャットボットを開発。一例として、ナビタイムジャパンが提供する「乗換案内」機能と連携し、 LINEのアカウントで乗り換え経路、時刻表や運行情報を簡単に検索できるサービスを、同日より提供している。
定額制オンデマンド型音楽配信サービス「LINE MUSIC」とも連動し、人気ランキングや、LINE MUSICで友だちが聞いている曲などをワンタップで探したり、トークルームでそのまま試聴したりできる。加えて、LINE MUSICに収録された1800万曲を対象に、アーティスト名、楽曲タイトル、歌詞を検索して、好みの音楽を探せるようにした。
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