電通は9月23日、同社と国内グループ会社の一部が国内で行った運用型をはじめとする広告主向けのデジタル広告サービスにおいて、複数の不適切業務があったことを明らかにした。
具体的には、故意または人為的なミスに基づく広告掲載期間のずれ、未掲出、運用状況や実績に関する虚偽の報告、実態とは異なる請求書による過剰な請求が行われていたことが確認されている。
9月22日時点までに確認できているのは、疑義のある作業案件が633件、対象となる広告主数が111社で、不適切な部分に相当する金額は概算で約2億3000万円。このうち未掲載請求は14件あったとみられている。なお、同社は「業績に重大な影響が生じるとは認識していないが、今後、新たに重大な影響が生じる場合には、分かり次第速やかに知らせる」としている。
電通では、8月の中旬から社内調査チームを組成し、不適切業務が発生した原因の解明を含む業務実態の把握、検証を企図した調査に着手。現在も調査は継続しているという。
これまでの調査過程で不適切業務の可能性が確認された案件については、当該広告主各社に報告するとともに、関係諸団体にも報告済みという。調査は現在も途上で、今後も同様の対応を行うとしている。
当面の対処策としては、デジタル広告における人為的ミスや不適切業務の防止を徹底するため、デジタル広告の発注・掲載・請求の内容確認業務を、9月初旬に当該業務担当部署から独立性の高い部署に移管して内容確認業務体制の強化を図る。
今後は、不適切業務の発生原因を究明した上で、その解決に必要とされる更なる対処策、根本的な再発防止策を策定する。年内を目標とし、広告主をはじめとする取引先各社、関係諸団体らに報告する予定だ。
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