「iPhone 7」は、Appleにとって安くはないようだ。
iPhone 7の部品と製造にかかるコストは合計で224.80ドルだという。同端末を分解し、試算した結果を調査会社IHS Markitが米国時間9月20日に明らかにした。2015年に発売された「iPhone 6s」より、18%程度の増加している。
Appleは、この新型iPhoneの基本価格を649ドルに抑えている。これは製造コストの3倍近くだ。
米CNETは、Apple関係者にコメントを求めたが得られていない。
製造コストと部品コストの上昇は、スマートフォン市場が成熟期に達していることを示唆している。端末を必要としている人々のうち、大半が既に1台は所有している状態だ。つまり、Appleやサムスンなどのメーカーが新規顧客を開拓できる新たな市場は少ないということだ。こうしたメーカーは、現行ユーザーを説得して最新端末にアップグレードしてもらうか、他社から顧客を引き抜くための取り組みを強化する必要がある。これだけ競争が激しくなると、Appleの収益性を低下させるのも無理はない。iPhoneの売上高が2四半期連続で前年を下回ったことは、既に報じられているとおりだ。
IHS MarkitのアナリストWayne Lam氏は取材に対し、「消費者は、以前よりはるかに洗練されており、さらに多くを求めている」と述べた。「したがって、今後も技術革新は続き、コストも徐々に上昇する」(Lam氏)
Appleは売上高を増加させるべく、より大型の「iPhone 7 Plus」やストレージ容量の大きいiPhoneといった、より高額なモデルを購入してもらうよう顧客に働きかけている。
iPhone 7の外観をみると、2年前の「iPhone 6」からほぼ変わっていない。しかし、Appleは今回、耐水性能を追加し、新しいプロセッサやディスプレイ、カメラを採用したほか、ホームボタンも刷新した。同時に、大型バッテリとTaptic Engineを収容するため、ヘッドホンジャックを廃止している。
AppleにとってiPhone 7はよりコストが高くつくが、それでもサムスンと比べればまだ抑えられていると、Lam氏は指摘した。サムスンの「Galaxy S7」の製造コストは約265ドルだが、同社はこの端末をiPhone 7とほぼ同等の価格で販売している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス