タクシー配車の次は“代行運転”--韓国で注目集める「KAKAO DRIVER」

高需要の代行運転市場に参入した「KAKAO DRIVER」

 韓国では生活のあらゆる分野において、インターネットやスマホアプリを通じて多様なサービスを受けることができる。特にいま、新規参入が活発なのは「交通」「宅配」「家事」の分野だと言われている。

 そんな中、2016年の春にリリースされ注目を集めているのが「KAKAO DRIVER(カカオドライバー)」という代行運転サービスのアプリである。

「KAKAO DRIVER」トップページ
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 韓国で主流となっているコミュニケーションツール「KAKAO TALK(カカオトーク)」を開発したカカオコミュニケーションが、2015年にタクシー配車アプリ「KAKAO TAXI(カカオタクシー)」をリリース。一定の評価を得たことで、今回新たにリリースされたのがKAKAO DRIVERだ。

 プライベートや仕事(接待)で飲酒の機会が多いこと、鉄道よりも自動車通勤が主流であることから、韓国では代行運転の需要が高い。2014年の国土交通部(日本の国土交通省に相当)の発表によると、現在の代行運転市場は業者数が中小を含め3851にのぼり、1日の利用者は47万9000人、登録ドライバーは8万7000人、市場規模は3兆ウォン(日本円で約2720億円)と推定される。巨大市場であることがわかるだろう。

 また、個人タクシーが主流であるタクシー業界に対し、代行運転は業者が飽和状態にあり、業者の間での競争が過熱している。こうした中で、新たにKAKAO DRIVERが参入したことは、大きな注目を集めている反面、業者にとっては危機感をあおることにもなっている。

利用者の不満の声をもとに開発

 KAKAO DRIVERを利用するには、韓国内での携帯電話番号を登録していること、KAKAO TALKのユーザー登録をしていることが基本条件となる。ユーザーは、自分の車の車種のほかに、クレジットカード情報を登録しておくことでアプリでのカード決済も可能となり、キャッシュレスで利用できる。

 実際に代行運転を呼ぶ方法は、アプリ上の地図に現在地が表示されるので、そこから目的地(到着希望地)を選択したり、直接住所を入力したりしてリクエストを送る。すると、ユーザーの近辺で代行運転できる登録ドライバーが返信するので、それをユーザーが了承すれば予約が成立する。

 電話で代行運転を呼ぶ場合、現在地や目的地に土地勘がないと場所を説明するのが難しい。こうした煩わしさも省け、待ち時間も短縮されることが、KAKAO DRIVERがユーザーから支持されている理由の1つである。

 KAKAO DRIVERのドライバー登録をする場合、顔写真や実名のプロフィールの公開が義務づけられているほか、過去の利用者からの評価もあわせて公開される。ユーザーからは「事前にドライバーの素性がわかるので安心」と好評だ。

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