韓国において現在、シングル世帯や子育て共働き世帯の強い味方として人気を集めているのが、「生活の助っ人」とも言うべきアプリの数々である。
現在地周辺にある出前可能な飲食店を紹介し、注文までできる「出前アプリ」、家事や育児のヘルパー、ベビーシッター、さらには産後の母子を専門にケアする産後ヘルパーなど、あらゆるヘルパーとマッチングできるアプリ「代理主婦」、訪問介護のヘルパーを探せるマッチングアプリ「スマートケア」などが代表格といえる。
ヘルパーの種類も、単なる「家事全般」や「介護」に限らず、子どもの学校の宿題や勉強も見る「ヘルパー兼家庭教師」、さらにはペットの世話までする「ペットシッター」など多様で幅広い。
働きながら子育てをする兼業主婦が、効率的に仕事と家事を両立する難しさは万国共通の悩みだろう。しかし、日本ではまだこうした家事や育児を家族以外の人に頼ったり、トラブルなどを危惧して他人を自宅に入れることに抵抗を感じる人も多いのではないだろうか。
韓国でも、かつては家事や育児は女性の負担が大きく、近くに頼れる親族(実親や義親など)がいれば身内で解決するのが一般的だった。しかし、核家族化が進み、自治体の福祉サービスの整備が進んだことなどにより、第三者によるサービスを受けるというスタイルが徐々に定着してきていると感じる。
そして最近、韓国でユニークなものとして注目を集めているのが「クリーニングアプリ」と「秘書サービス」だ。
韓国でも洗濯を頼むときに、自宅の近くや大型スーパーにあるクリーニング店に衣類を持ち込むことが一般的だが、この「クリーニングサービスアプリ」では、韓国の大手クリーニングチェーン「グリーントピア」が、回収依頼の受付から引渡しまでをアプリで提供している。このほか、個人業者による地域密着型のクリーニングサービスアプリが複数存在している。
たとえば、「洗濯特攻隊」というアプリ。現在、ソウル市内の南部地域を中心にサービスを展開しており、深夜12時までの回収に対応し、即日の引き渡しも可能なことが売りだ。勤務時間が不規則な人や、帰宅時間が遅くどうしても営業時間内に店舗まで行けない人にとっては、ありがたいサービスだ。洗濯物のオーダーも、衣類の種類から、「一般」「ドライクリーニング」などの洗濯の方法まで細かく指定できる。さらに靴や毛布の洗濯も受けつけている。
このほか、全州(チョンジュ)という地方都市在住者が利用できるアプリ「青春洗濯」は、主に1人暮らしの学生などをターゲットにサービスを提供している。地方都市などは、市街地を離れると交通が不便な地域もあることや、学生は時間が限られていることなどから、こちらも重宝されているようだ。
どのサービスアプリにも共通しているのが、顧客のニーズに応えるべく、スピードの高速化や低価格化を目指していることだ。「スピード」「低価格」などと聞くと、「実際の仕上がりや満足度は大丈夫だろうか」と疑問に思う人もいるかもしれない。しかし、前述の洗濯特攻隊を利用した人のコメントを覗いてみると、「サービス全体を通して、仕上がりや、価格、スピードは満足いくものだった。また利用したい」といった好評価が多く、利用者からの評価や満足度は高い印象だ。
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