戦時中の象徴的な写真をめぐる論争は、Facebookの敗北に終わった。ノルウェー最大手のAftenposten紙は現地時間9月9日、Facebookの最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏に宛てた書簡を一面に掲載してFacebookの検閲を厳しく批判し、Facebookに真っ向から対立する姿勢を示した。
この中でAftenpostenの編集長Espen Egil Hansen氏は、Facebookがベトナム戦争の写真を無責任に削除したとしてZuckerberg氏を非難した。
「Facebookの規則に反して自由を選択しようとすると、われわれのように検閲を受けてしまう」とHansen氏は書簡に記している。
Facebookは同日、ソーシャルメディアで多数の抗議を受け、判断を覆した。
Facebookは、これまでにも何度も厳しい批判を受けている。世の中に流れる情報に対するFacebookの影響力は大きく、Facebookはその対応に悪戦苦闘し続けている。Zuckerberg氏はFacebookを報道機関であるとは考えていないが、17億人のアクティブユーザーを抱えるFacebookは、ニュース業界に対して計り知れない影響力を持つ。
ニュース記事や政治的議論は、特に慎重な扱いを要するものとなりつつある。5月には、保守系コンテンツを意図的に抑制していたとして、GizmodoがFacebookを非難した。8月には、人間による編集を廃してアルゴリズムで「Trending Topics」を表示するようにした途端、Fox NewsのアンカーであるMegyn Kelly氏に関する虚報を上位記事に持ってきてしまった。
9月に入ってからも、世界貿易センターのツインタワーが倒壊したのはテロ攻撃によるものではなくビル内部に仕込まれた爆弾が原因だとするDaily Starの記事が、Facebookのアルゴリズムによってトレンドトピック記事の「9/11」リストの上位に表示された。Facebookは指摘を受けてすぐに、この虚偽の記事を削除した。
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