学生時代には、成績やテストの順位、部活、恋愛など、承認される場は多くはない。誰もが望むような十分な承認は得られないケースがほとんどだ。
もっと注目されたい、認めてほしいという気持ちは誰もが共通して持っている。しかし、安易に承認を求めてインターネット上で自撮り写真やキス動画などを公開すると、しっぺ返しがくることがある。
たとえば、「○○が好きな人らぶりつ」で“らぶりつ”されても、自分が認められたわけではない。自撮り写真やキス動画にいいねやコメントなどがきても、若くて可愛い外見やキス自体が認められただけであり、自分自身が認められたわけではない。ただ、認められたことには変わりないため、認められた快感が再びほしくて繰り返してしまっている状態だ。
その場だけ認められても、本物の自信や満足にはつながりづらい。そうではなく、たとえば自分で作りだしたモノを認められたり、努力した結果を認められたりした方が満足度は高く、自信や自尊心につながっていく。
努力や創作などは、認められるまでに時間がかかり、必ずしも誰もが十分に賞賛を得られるわけではない。しかし、その場だけの賞賛を求めて過激な動画などを投稿するよりもずっと建設的だし、違う道が開ける可能性もある。
保護者は子どもたちがその場だけの承認を求めるばかりではなく、本当の自信や自尊心を高められる承認が得られるよう、見守ってあげてほしい。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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