生活インフラについては、深圳市の水道を管理するSHENZHEN WATER GROUPとファーウェイ、そしてチャイナ・テレコムの3社が共同で進める水道のIoT化プロジェクトが展示されていた。家庭内の水道メーター、路上のマンホール、街中の消火栓の3つについてIoT化を図るものだ。
水道メーターは、遠隔検針を可能にした製品を開発し、巡回検針にかかる人件費の削減、消費水量のリアルタイム監視といった機能を実現する。すでに実運用が始まっており、2016年中に深圳市に1000基を導入、2017年には深圳市の全域に導入範囲を拡大していくとしている。
マンホールの鉄製のフタには、水位センサと盗難検知センサを追加。大雨による下水道の水位上昇を監視できるのに加え、中国では盗難が少なくないマンホールの持ち去りを防止、もしくは検知できる。消火栓にも同様に水圧センサや水の盗難を検知する仕組みを備え、消火活動が必要になった際に十分な水圧が維持されているかを常に把握しておける。
得られたそれぞれのデータは集中管理するセンターに送信されるが、この部分にファーウェイの技術が用いられている。パイロット運用中の現在は既存の携帯電話網のGSM方式を応用した「GPRS」を採用しているが、将来的には現在ファーウェイが推進している狭帯域、低消費電力の「NB-IoT」の利用を想定している。
NB-IoTにより、比較的低い通信コストで必要十分な量のデータを送信、収集でき、マンホールや消火栓においては電波が鉄製のフタや地面に遮られるため、GPRSよりも電波の透過性が高いとされるNB-IoTのメリットが生きる。低消費電力であるため、10年という長期間に渡って電池交換なしで運用できるとも見込んでいる。
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