ファーウェイの“プラットフォーム力”を印象付けるブース展示--交通、輸送、インフラ編

 中国広東省・深センに本社を構えるテクノロジ企業ファーウェイが、8月31日から9月2日にかけて上海で開催したエンタープライズ向けの一大イベント「HUAWEI CONNECT 2016」。

 このイベントでは、同社のソリューションやプラットフォームをバックグランドにもつ、さまざまなパートナー企業の製品・サービスを展示する広大なブースエリアも設けられていた。前回の「セーフシティ、教育、金融」に続き、ここでは「交通、輸送、生活インフラ」に関わる展示を紹介する。

HUAWEI CONNECT 2016の会場
レーシングカーのシミュレーターも展示されていたHUAWEI CONNECT 2016の会場

車両の先進安全機能と遠隔監視を実現するソリューション

 交通分野では、業務車両および自家用車向けのコネクテッドカーソリューションが展示されていた。業務車両向けとしては、主に大型トラックなどを使用する運輸会社、または危険物質を取り扱う輸送会社を対象にした先進安全機能と車両管理を実現するソリューションがある。

コネクテッドカーソリューションのイメージ
業務車両と自家用車向けのコネクテッドカーソリューションのイメージ

 ファーウェイが提供するクラウドサービス「IoT Connection Management Platform」を利用し、車両の運行状況を蓄積。その情報を遠隔からリアルタイムで監視できる。

 具体的には、車両に取り付けたセンサやカメラ、GPSなどを活用し、車両の位置、走行状況、ドライバーの状態などを常時監視してデータ化。どこに車両があるのか、どのように走行しているかなどを会社の管理部門が遠隔から把握できる。さらには車室内に設置したカメラによりドライバーの表情、動作をトラッキングして疲労の程度や居眠り、危険行動を検出し、必要に応じて警告する。これらのシステムはすでに実用化が始まっているとのこと。

車線認識などを行うカメラ
車線認識などを行うカメラ
車内のドライバーの表情や動作を検知するカメラ
車内のドライバーの表情や動作を検知するカメラ

 自家用車向けには、ナビゲーションシステムを内蔵したバックミラーが出展。車輌情報を収集するOBDドングルとの連携に対応し、モバイルネットワークを利用した通信が可能。GPS、加速度センサ、ジャイロセンサなども内蔵する。音声認識コマンドによって命令ができ、ミラーにしゃべりかけると近隣施設の検索、行きたい場所へのルート案内を行ってくれる。

 また、急ブレーキ、急加速、急ハンドルなどの挙動を分析してドライバーの“運転習慣”を分かりやすく示す機能も備えている。この“スマートミラー”はすでに市販がスタートしているそうだ。

  • 一般的なバックミラーにしか見えないが…

  • しゃべりかけると認識された言葉がチャット風に表示、コンピューターが応答する

  • 行きたい場所を指示するとナビが開始する

必要人員を50分の1にしながら安全性も高める自動輸送システム

 輸送分野のブースエリアで展示されていたのは、列車の自動運転システム。実際に北京市内を走っている自動運行列車「北京地下鉄燕房線」のシステムを模したシミュレーターを操作できるようになっていた。

 セーフシティや輸送業界向けとして、ファーウェイが推進するeLTE技術(下り最大100Mbps、上り最大50Mbps)を利用し、車両の運行や設備・路線の状況、乗客の乗り降り、電力消費状況など多数の情報を管制センターへ送り、自動運行に役立てている。

  • 北京地下鉄燕房線のシステムを模したシミュレーターと、管制センター

  • 自動運転のため通常は運転士は存在しないが、シミュレーターでは自動運転をオフにして手動運転を試せるようにもなっていた

  • 運転士視点の3D CGで描かれた風景の中を走る

 管制センターを模した展示もあり、管理路線の状況をマルチモニターで監視可能。現在どこを列車が走行しているか、もしくはどの駅に停車しているか、路線や車両自体に問題はないか、といった情報を得ることができ、安全・確実な輸送を実現する。

管制センターを模したコーナー。現在どこに列車が位置しているか、路線や車両に異常がないかなどの情報を得られる
管制センターを模したコーナー。現在どこに列車が位置しているか、路線や車両に異常がないかなどの情報を得られる

 通信設備だけでなく、ソフトウェアプラットフォームやクラウドプラットフォームにファーウェイのソリューションを活用しており、列車の運行自動化によって大幅な人員削減を図れるだけでなく、予防安全によりメンテナンスコストの最適化も見込まれるとしている。

 例えば、現状の通常路線は運転手、メンテナンス担当者などを含め1km当たり50~60人が関わることになるが、このシステムの導入で約25kmの管理路線全体を20人、すなわち1km当たりおよそ1人でカバーでき、安全性を担保しながらコスト削減を図れるとのこと。

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