8月31日から9月2日にかけて、中国のテクノロジ企業ファーウェイが、エンタープライズ向けイベント「HUAWEI CONNECT 2016」を上海で開催した。1社によるイベントとしては同社最大規模となる
同社はこのなかで、事業の柱の1つとしてクラウドプラットフォームを拡充していく姿勢を打ち出すとともに、クラウド分野においてエレベーター/エスカレーター製造のシンドラーとの提携や、コンサルティング企業のアクセンチュアと共同開発したクラウドソリューションを発表した。
世界で150万台ものエレベーターを運行するシンドラーは、これまでにも独自にエレベーターの遠隔モニタリングの技術を導入するなどして、運行管理やメンテナンスを行ってきた。今後は、ファーウェイがもつIoT技術、ネットワーク技術、クラウド技術を活用し、エレベーター/エスカレーターの管理を効率化するという。また、さらなる安全性の向上や、“より良いユーザーエクスペリエンスの提供”も視野に入れた次世代エレベーター/エスカレーターの実現を目指す。
2050年までに、エレベーターが設置されるような都市型住宅に住む人々は30億人に達し、全世界の70%の人口が都市圏に集中することになると予測されている。こうしたなか、エレベーターの重要性はますます大きくなると見込まれる。必然的に管理すべきエレベーターの台数は飛躍的に増え、従来型の管理・メンテナンス方法では正常な運行が困難になることが想定されるからだ。
シンドラーチャイナのリージョナルジェネラルマネージャー Michael Li氏は講演で、「センサと(ネットワーク)接続を通じてエレベーターを運用し、付加価値のあるサービスを提供していく」と話す。
具体的には、センサを用いて24時間のモニタリングを行い、部品などの故障を予測・検知する予防安全によってメンテナンス時間・回数の短縮、低減を図ることができるほか、多数のエレベーターから得られた膨大な運行情報を分析することで、サービス品質の向上と、その後の最適なエレベーターの開発につなげることも可能になる。
また、運行情報をスマートフォンなどで利用者が確認できる仕組みや、エレベーター到着の待ち時間を少なくする仕組みの提供。商業施設のエレベーターでは施設内のセールなど各種情報をリアルタイムに収集して掲示するといった、単なる移動の手段を超えた新しい設備への進化を目指すアイデアも語られた。
今回の提携はワールドワイドを対象にしたものであり、将来的に中国国内だけでなく、世界中のさまざまな国にIoT技術を応用したエレベーターが導入されることになるという。
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