ジェイティービー(JTB)とパナソニックは、訪日外国人客の観光を支援するため、「JAPAN FITTER」と「LUGGABE-FREE TRAVEL」の2つのサービスを開始すると発表した。外国人観光客の旅行情報などを統合管理するプラットフォーム「Traveler Relationship Management」(TRM)として提供する。9月から試験導入し、2016年度中の商用化を目指す。
両社は2015年6月に、2020年に向けた観光分野での協業を開始。JTBが持つ観光に関する知見と、パナソニックが持つがICT技術などを掛け合わせることで、訪日インバウンドにおける課題を解決していく方針だ。
今回実施する2つのサービスも協業の一環として実施。個人旅行者の比率が高まっていることや、東京、大阪、京都以外の地方部への旅行者が増加していることなどを受け、訪日外国人観光客と受け入れ側の観光事業者の抱える課題を解決すること目的に開発された。
JAPAN FITTERは、英語や母国語でコミュニケーションがとれないという言語に関わる不自由さを解決するために開発された「コンシェルジュ業務支援サービス」。タブレットとマイクから構成され、日本語の音声を音声と文字で翻訳できる。対応言語は日本語、英語、中国語、韓国語の4つ。これに加え、定型文案内を併用することで、直接対話による案内をサポートする。
飲食店や観光地の検索、ルート案内などの観光情報まで提供できることが特徴で、体験プログラムやサービスなども案内していくとのこと。2020年までには対応言語を10まで増やす計画だ。
実証実験は9月1日から10月31日まで実施され、長崎・雲仙の宿泊施設と観光案内所、JTB協定旅館ホテル連盟インバウンド委員会の宿泊施設、都内のホテルの計27カ所にタブレットを設置。音声認識と翻訳の精度、検索情報の画面連携などのほか、タブレットの使用感、コンテンツの閲覧頻度といった面も検証する。
LUGGAGE-FREE TRAVELは、大型手荷物の持ち運びを簡単にする「手ぶら観光支援サービス」。大きな荷物は、階段の多い駅での持ち運びや、買い物時に不便さを感じるが、一時保管場所などの確保は難しい。そこで空港からホテルまでを配送することが考えられるが、日本語で送り状を手書きするには、大変な労力がかかるという。
LUGGAGE-FREE TRAVELを使用すれば、旅行と一緒に手荷物配送サービスにも申し込みができるというもの。旅行の案内書などとともに送られてくるバーコードを、空港やホテルのカウンターで専用端末のカメラにかざせば、送り状が印刷され、荷物の配送が可能になる。
配送はヤマトホールディングスが担当。9月から東京都心エリアを基点に、JTBの予約管理システム「GENESIS」で実証実験対象ホテルの宿泊を訪日前に購入する外国人客を対象に、手ぶら観光支援サービスを告知、提供。サービス申込者には受付番号とバーコード付きバウチャーが発行される。
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