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月面探査ローバー「HAKUTO」の最終デザインがお披露目--KDDIら7社が協力

藤井涼 (編集部)2016年08月29日 18時48分
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 ローバーのフライトモデル(最終モデル)。

 ローバーのフライトモデル(最終モデル)。

 世界初の月面探査レース「Google Lunar XPRIZE(グーグル・ルナ・エックスプライズ)」に挑戦するispaceが運営する日本の民間月面探査チーム「HAKUTO」とオフィシャルパートナーのKDDIは8月29日、月面を走行するローバーのフライトモデル(最終モデル)のデザインを披露した。2017年1月までに実機を製造し、2017年中に打ち上げて月面に着陸させる予定。

HAKUTO代表の袴田武史氏(中央)と、オフィシャルスポンサーの各代表者
HAKUTO代表の袴田武史氏(中央)と、オフィシャルスポンサーの各代表者

 Google Lunar XPRIZは、GoogleのスポンサーのもとXPRIZE財団によって運営される、月面無人探査を競う総額3000万ドル(約30億円)の国際賞金レース。月面に民間の無人探査機を着陸させ、着陸地点から500m以上走行して、指定された月面の動画や静止画データを地球に送信することがミッションとなる。

 レースには世界各国から16チームが参加しており、1位のチームには賞金2000万ドルが、2位のチームには賞金500万ドルが贈られるという。日本のHAKUTOチームには、KDDI、IHI、インターメスティック(Zoff)、日本航空(JAL)、リクルートテクノロジーズ、スズキ、セメダインの7社がパートナーとして協力している。

コストと性能の“せめぎ合い”を乗り越え完成

 ローバーの月への打ち上げには、1kgあたり約120万ドル(1億2000万円)という莫大な費用がかかる。そのため、1gでも軽量化したいビジネスチームと、少しでも高性能にしたいエンジニアチームの間で、時には衝突し、議論を繰り返しながら開発を進めたとHAKUTO代表の袴田武史氏は振り返る。その上で完成したフライトモデルは、コストを抑えつつも、ミッション遂行に十分なパフォーマンスを実現するという。

ローバーのフライトモデルのデザインがお披露目された
ローバーのフライトモデルのデザインがお披露目された

 ローバーのフライトモデルは、従来のプリフライトモデル3の約7kgから約4kgまで小型化・軽量化している。また、特注品ではなく民生品(実験用・工業用として開発された機器)を活用することで、コストを抑えたという。民生品にすることで、たとえばモーターは特注品に比べて、納期を3分の1に、コストを10分の1に抑えたとのこと。

 さらに、過酷な宇宙空間に対応するため、さまざまな対策を施している。たとえばロケット打ち上げ時の激しい振動への耐震設計として、航空機にも使用される炭素繊維強化プラスチック(CFPR)を採用。また、最大100℃になる月面に着陸するための熱対策、宇宙空間での高い放射線への対策などをしているという。

 その中で、KDDIは通信における技術サポートをしている。100パターンを超えるアンテナ位置を検証し、短距離で高速な電波(2.4GHz)と、長距離に届く電波(900MHz)の2つの帯域を組み合わせたハイブリッド通信によって、電波状況の悪い月面でも途切れない通信を実現するとしている。

アンバサダーに就任した、タレントの篠原ともえさん(左)、歌手の神田沙也加さん(中央)、ロックバンド・サカナクションの山口一郎さん(右)
アンバサダーに就任した、タレントの篠原ともえさん(左)、歌手の神田沙也加さん(中央)、ロックバンド・サカナクションの山口一郎さん(右)

 同日にはゲストとして、HAKUTOのアンバサダーに就任した歌手の神田沙也加さんと、タレントの篠原ともえさんが登場。試作機のローバーの操縦を楽しむなどして、場内を盛り上げた。


 8月31日からは、「au×HAKUTO MOON CHALLENGE」の新CM「僕らはみんな宇宙兄弟だ。」篇を全国で放映する。CMで使用する応援ソングは、同じくアンバサダーを務めるロックバンド「サカナクション」が担当。

 HAKUTOのメンバーと会話したり、月や宇宙について調べたりする中で、「泥臭い人々の努力と最先端技術」を、「合唱と電子音楽」に置き換えた楽曲が生まれたという。

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