iOS 10はこうなる--「写真アプリ」の進化、写真の分類が楽しめる「メモリー」

 iPhoneのカメラ機能は、デジタル写真のトレンドに大きく影響を与える存在になりつつある。

 デジタルカメラならではの大きなレンズや大きなセンサが生み出す、無加工でも吸い込まれるような写真には魅力と価値がある。

 一方iPhoneのカメラの価値はこうだ。常に持ち歩いていて、ポケットから取り出すだけで十分高画質なスナップ写真を撮ることができ、その場で加工や共有もできる。写真を撮る機会を万人にもたらした。

 Appleは、次期iPhoneにおいても、引き続きカメラ機能を重要な差別化要因にしており、iPhone 7 Plus(とみられる新デバイス)には、2つのセンサとレンズが搭載される見込みだ。

 そんなiPhoneのカメラ機能の向上と同じくらい、日々の写真体験に変化をもたらしてくれそうなのが、iOS 10に搭載される新しい写真アプリの機能だ。写真アプリには、新たに「メモリー」と呼ばれる写真を整理する機能が搭載され、撮影した過去の写真を楽しむ方法を提案してくれる。

常に新鮮な写真の分類が楽しめるメモリー

 Appleのプライバシーポリシーとして、個人的なコンテンツや情報を端末外で分析したり、不特定多数の人々に共有したりしないことになっている。特に写真はプライベートなコンテンツを含むことから、iCloudを通じた自分のデバイス間での共有を除けば、iPhoneの外に持ち出されることはない。

 メモリーは、写真の撮影日時、場所、写っている人の顔、人数、被写体などから、自動的にアルバムを生成し、スライドショーを楽しむことができる。iOS 10を導入すると、すでにデバイスにある写真の解析が始まり、メモリーが追加されていく。気に入ったメモリーをお気に入りに追加すれば、いつでも振り返ることが可能だ。

自動的にアルバムを生成
写真の撮影日時、場所、写っている人の顔、人数、被写体などから、自動的にアルバムを生成

 メモリーは、例えば「過去1週間のベスト」「先週」といった時間での区切りや、「港区」「茅野市」「下田市」といった撮影した場所、「ポートレート」「旅行」といった写真の種類、「太郎」などの人名で分類される。iPhoneで写真を撮りためていくと、常に新しい切り口のメモリーが提案される点が面白い。

「過去1週間のベスト」
「過去1週間のベスト」

 ちなみに、顔の認識によって人のメモリーができあがっていれば、その人の顔に電話帳の連絡先を割り当てると、以降はその人の名前で分類されていく。1人だけの写真だけでなく、「太郎と次郎」といった具合で2人のコンビのメモリーも生成される。


顔の認識によって人のメモリーができあがっている際、その人の顔に電話帳の連絡先を割り当てると、以降はその人の名前で分類されていく

 家族や恋人同士の写真をiPhoneの中から自動的に取り出してくれると、こどもの成長や恋愛の記録を振り返ることができるようになるだろう。

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