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クックCEOはアップルをどう変えたか--5年間の功績と失敗、消えない疑問 - (page 2)

Shara Tibken (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2016年08月24日 07時15分
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 アクセシビリティや環境問題、従業員の安全性といったことに関して、Appleは「(投資利益率を)いっさい考慮しない」。Cook氏は2014年の株主総会で、ある保守的な金融グループに対してこう発言した。「世界を、これまで私たちが見てきたより良くしたい」(Cook氏)

 Cook氏は米連邦捜査局(FBI)にも立ち向かい、Appleがユーザーのプライバシーとセキュリティを最も配慮するテクノロジ企業であるという姿勢を示した(おそらくこの争いはまだ終わっていないだろう)。

その一方で、失敗も

 Cook氏の最大の強みは、同時に最悪の弱点でもある。

 現在、Appleの売り上げの3分の2以上はiPhoneが占めている。そのiPhoneが万一にも空振りになったら、事態は深刻だろう。2016年はiPhoneの販売数が初めて減少したため、Appleの総売上高は落ち込むはずだ。

 Cook氏は8月、The Washington Postとのインタビューにおいて、AppleのビジネスがこれほどまでにiPhone頼みになったことは「むしろ特権であり、問題ではない」と語り、最終的には世界中のすべての人がスマートフォンを持つようになると述べた。

 世界中の誰もがiPhoneを買えるかどうかは、はなはだ疑問だ。iPhoneは依然として、価格面での選択肢が乏しい。2013年後半に登場したカラフルなプラスチック製の「iPhone 5c」は失敗に終わった。2016年3月に発売のiPhone SEは、最低価格が399ドルで、「Android」端末ならもっと安い選択肢がいくらでもある。

 そして、疑問の残る賭けも行われている。Cook氏は2014年中頃に、Beatsとその優秀な経営陣を30億ドルで買収した。そのグループが1年かけてリリースしたのが、Apple初の楽曲ストリーミングサービスApple Musicだ。Jobs氏は楽曲ストリーミング事業に長らく反対していた。

 Apple Musicの最初のバージョンは、1年足らずのうちに1500万人の契約者を獲得した。これは、主要な競合サービス「Spotify」のほぼ半分に当たる。見事な数字ではあるが、Apple Musicは、インターフェースの使いづらさや、バグに関する批判を浴びた。Appleは6月、Apple Musicを「まったく新しく」設計し直したと発表している。

 「最初の作りに失敗し、後から手直しして、まずい点を修正しようとしている」。Jackdaw ResearchのアナリストJan Dawson氏はこのように指摘する。

 他に手直しが必要になる製品と言えば、Apple Watchだろう。Cook氏のもとでは初めての新しいデバイスであり、2014年に鳴り物入りで発表されたウェアラブルだ。市場では「Fitbit」に次ぐ売れ筋のウェアラブルだが、売上高はiPhoneのレベルにはるかに及ばない。

 Apple Watchの販売台数は公開されていないが、IDCのアナリストは、第2四半期の出荷台数を前年比55%減の160万台と見積もっている。

 そしてもちろん、「Maps(マップ)」の惨事は記憶に新しい。2012年にリリースされたときは、エラーが多すぎたためCook氏が公式に謝罪し、バグが一掃されるまでは競合製品を使うように薦めるほどだった。

次の5年

 報道によれば、Appleはまったく新しい製品と分野(自動車、仮想現実=VR、ヘルスケア、スマートホーム製品など)に取り組んでいるという。だが、表立った大きな動きはまったくない。

 Appleの未来を大きく左右するのは、ソフトウェアだろう。Cook氏とそのチームが抱える主な仕事の1つは、音声アシスタント「Siri」とiPhoneをさらにスマートにすることだ。iPhoneは、ユーザーが望むより早くユーザーの希望を察知し、人工知能を活用してその存在を不可欠なものにしなければならない。

 とはいえ、Appleのソフトウェアとサービスの存在意義は主に、Appleのガジェットを買ってもらうことにある。つまり、Appleはハードウェアを無視できないということだ。iPhoneのデザインは、2007年のリリース時からあまり変わっていない。今後5年間のAppleの成功は、iPhoneやiPadのような製品をいかに刷新するかに、大きく依存することになるだろう。

 Creative StrategiesのアナリストTim Bajarin氏は次のように述べた。「Appleは、インダストリアルデザインとユーザーインターフェースについて、大きな賭けに出なければならない。同社は革新を迫られている」

 Jobs氏が生きていたとしても、革新以外の道は望まなかったに違いない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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