8月2日~8月8日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
Appleの1週間のニュースを振り返ってみると、Appleの「テクノロジ企業として製品やソフトウェアをどのように舵取りするか」以上に、Appleの社会的な存在を描き出すストーリーが多かった。
絵文字の多様性、雇用に関する男女格差の解消。そして、これは法廷戦略の1つではあるが、Appleを支持する工業デザインに関する意見陳述書の公開と、Appleが社会の中でどのように振る舞い、また世界をより良くしていこうとしているのか、多面的に発見できた1週間だった。
AppleはTim Cook CEO以下、多様性の問題に取り組む活動を強化してきた。サンフランシスコで毎年行われるLGBTQのパレード、SF Prideにも毎年参加するようになった。ニュースにもある通り、絵文字に人種の多様性をもたらし、絵文字のデザインと肌の色を選べるインターフェースの搭載、という答えを出している。また、男女の給与格差についてもGoogle、Facebookに続いて解消を宣言した。
Appleは2016年に入って、非常に社会的な側面を色濃く見せてきた。
たとえば、サンバーナーディノでの銃撃事件の犯人のものとされるiPhoneのロック解除では、最後までFBIへの協力を行わず、ユーザーのプライバシーに触れない姿勢を貫いてきた。このことは、BtoBビジネスの強化を狙う上で必要な対応だったが、それ以上に、人々のプライバシーを守るという方針を印象づけられた。
また、6月に開催されたWWDC2016では、直前に起きたフロリダ州オーランドの銃撃事件を受け、半旗を掲げた。その事件の場所がゲイバーであったこともあり、Tim Cook氏は被害者の無念を思い涙する一面を見せた。
社会と共に生き、時に怒りや悲しみをともにする非常に人間らしい側面を見せる。しかしAppleは、世界最大規模かつテクノロジの制空権を確保する重要な企業としてのパワーも有している。こうした企業が環境問題や多様性の問題に取り組むことの意義について、われわれは改めて見つめ直した方が良いかもしれない。
アップル、「iOS 10」で多様性を反映した絵文字を追加へ(8/2)日本人のiPhone好きは、米国人の間でも話題になるほどだ。決して米国でのiPhoneの販売シェアも低くはない(40%を超えている)が、日本で65%という数字を見ると、やはり突出して映るようだ。
そんな人気を保つAppleは、8月2日に、雇用創出に関するレポートを公開した。
これによると、Appleが日本で創出した、あるいは支援した雇用数は71万5000人としており、iOSとApp Storeのエコシステムが44万5000人、Appleの支出と成長によるものが26万9000人、Apple Storeを含むApple Japanとしての雇用が2900人となっている。Apple Storeには平均100名のスタッフが働いており、そのほとんどが正社員だという。
また、日本におけるAppleのサプライヤーは865あり、日本での支出額は300億ドルを超えるという。レポートの中では、カンタツ、京セラ、帝国インキ製造、カシューの4社の名前が挙げられていた。
App Storeは、2008年の開設当初から日本でもサービスが提供されており、これまでに96億ドルが日本の開発者向けに支払われたとしている。日本の開発者数は53万2000人を数える。
Appleは米国、英国、フランス、イタリア、スペインといった国々で、同様の雇用に関するレポートを発表している。これらのレポートは、製造業的な古いグローバリゼーションに関する数字が示されていると同時に、ボーダーレスとなったアプリ市場に関するデータも示されている点が面白い。
アップルがもたらす日本の雇用、経済効果とは--日本の開発者には約96億ドル(8/2)Appleは、(ついに、と言うべく最後発で)、バグ報奨金プログラムを開始している。最高20万ドルという金額が意識しているのは、FBIを意識したものだ。サンバーナーディーノの銃撃事件でのiPhoneロック解除問題に際して、FBIは100万ドルの報奨金をエンジニアに支払っているとされてきた。
その結果、FBIは、iPhoneのセキュリティを突破する方法に行き着いた。たとえAppleがその方法をかたくなに、道徳的な理由で拒んだとしても、報奨金によって雇われたハッカーの存在を消し去ることはできない。
そこで、Appleも、ハッカーを味方につける活動を開始することにしたのだ。
アップル、ついにバグ報奨金プログラムを開始へ--最高20万ドル(8/5)500人という限られた人数での調査ではあるが、iPhoneのデザインがさほど変わらない場合、9.3%の人々しかiPhoneを買い換えないという結果は、アップルにとって、憂鬱な数字となるかもしれない。
新型iPhoneは、噂や流出されたとされる画像を見ると、iPhone 6sとさほど変わらない可能性が高いとされている。もちろん、イヤホンジャックの廃止による更なる薄型化や、ホームボタンの感圧式への変更、カメラのセンササイズ拡大など、ハードウェア面での新たな要素を発見することは、難しくない。
しかし見た目が変わらない点が、買替え需要にネガティブな影響を与える可能性は、懸念すべき材料と言えるのではないだろうか。また、iPhoneのデザイン刷新のサイクルが2年から3年になる場合についての質問では、買い換え周期を延ばす傾向が強いようだ。
いくらアプリによって新たな用途が開拓されても、スマートフォンのハードウェアとしての側面は、ユーザーにとって重要視されていることが分かる。
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