Sling Mediaの共同創設者で、シリコンバレーで長年活躍してきたBlake Krikorian氏が米国時間8月3日、48歳で亡くなった。
兄のJason Krikorian氏が、同氏の急逝をFacebookで明らかにした。RecodeのKara Swisher氏によると、「サンフランシスコでサーフィン中に心臓発作を起こしたようだ」という。
Krikorian氏は、Microsoftによって自身の会社id8 Group R2 Studiosが2013年に買収されたのに伴い、最近はMicrosoftのInteractive Entertainment Business部門でコーポレートバイスプレジデントを務めていた。
Krikorian氏は、Sling Mediaの先見性ある創設者として最もよく知られていた。同氏はSling Mediaを、兄のJason Krikorian氏やBhupan Shah氏と共同で設立した。2005年に初めて発売された同社の「Slingbox」は、動画「転送」技術を提供する数少ない初期の製品の1つだった。この技術は、ケーブルテレビ用セットトップボックスの信号をデジタル化して、自宅や世界中にあるPCやモバイル機器に送れるというものだ。
Sling Mediaのコーポレートコミュニケーション担当ディレクターを務めたBrian Jaquet氏は、大好きなプロ野球チームであるサンフランシスコ・ジャイアンツの試合を旅行中に見たいというKrikorian兄弟の強い思いが、Slingboxを支える大きなアイデアとなったと述べている。
ストリーミング動画は、今ではどこにでもあるサービスで、周知のとおり、エンターテインメント業界に大きなダメージを与えてきた。だが、Krikorian氏が手がけたハードウェアベースのソリューションは、月額料金が不要で、この分野ではほぼ間違いなく大きな草分け的存在だった。放送中のテレビ番組を見たい時に見たい場所で提供し、類似の機能を持つソニーの「Location-Free TV」といった競合製品にまさっていた。これは、YouTubeがスタートしてからわずか1年後で、最初の「iPhone」が発売される2年前のことだ。NetflixはまだDVDを郵送していて、同社のストリーミングサービスや初代「Roku」セットトップボックスが登場するのは、まだ何年も先の話だった。
Krikorian氏は、その後2007年に、3億8000万ドルでSling MediaをDish Networkに売却した。同ブランドは、Dish Networkのストリーミング動画サービス「Sling TV」の根幹を成す存在となった。
Krikorian氏は、シリコンバレーのシリアルアントレプレナー(連続起業家)や投資家の鑑であり、BitGravityやAndreesen Horowitz、Amazonなど、さまざまな企業で取締役や顧問、重役を務めた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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